社内募集で異動する前にいた部署で
シンガポール国費研究生のチューターを
担当したことがあった。
私自身も中途入社1、2年だったので
どちらかと言うと同級生のような
感じでくだけた関係だった。
彼らは国立大学を優秀な成績で
卒業したエリートだった。
しかし、シンガポールに限らず
アジアの他の国でもそうだが、
すでに在学中に兵役を終えていて
一人前の成人だった。
その懇親会は、2年の期間満了で
帰国する彼らの送別会だった。
異動して一年になるのに
彼の意向で私も呼んでくれたのだった。
部長、以前の課長と話すのも
1年ぶりだった。
1年前、なんで一言も相談せずに
異動を決めたのか?と問う部長に
私はすみませんでしたとしか
言えなかった。
まさか、そこまで気にかけてくれて
いるとは想像していなかったからだ。
周りの人のことを考えられない、
想像できない自分の愚かさを
再び知り、後悔する出来事だった。
前の会社でも似たようなことがあり、
結局転職したのだった。
課長にはすごい無茶振り、厳しいことも
たくさん言われたが、確かにいつも
骨は拾ってくれた。
そんな以前の課長は何も含むことなく
昔通り接してくれた。