詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ

2021年02月05日 | 映画
 

『舟を編む』の石井裕也監督最新作。渋谷、新宿。二人は出会う。東京の片隅で、信じられるものを探しながら優しく生きようとする若い男女を描いた、最高密度の恋愛映画──!

キャスト
出演:石橋静香 池松壮亮 田中哲司 松田龍平 市川実日子 佐藤玲 三浦貴大 ポール・マグサリン
スタッフ
監督/脚本:石井裕也 原作:最果タヒ 撮影:鎌苅洋一 音楽:渡邊崇 エンディング曲:The Mirraz「NEW WORLD」 製作プロダクション:フィルムメイカーズ/リトルモア
映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ
『舟を編む』の石井裕也監督最新作。渋谷、新宿。二人は出会う。東京の片隅で、信じられるものを探しながら優しく生きようとする若い男女を描いた、最高密度の恋愛映画、誕生──!
現代詩集としては異例の売上げを記録している最果タヒによる詩集が、誰も予想していなかったかたちで恋愛映画として生まれ変わった。現代の東京の片隅に生きる若い男女の、言葉にならない感情の震えを映像にすくい取り、繊細な恋愛映画として完成させ、石井裕也の代表作と言える傑作となった。

世に倦む日日 @yoniumuhibi

2021年02月05日 | 気狂い国家

オランダのアムステルダム。自由な生き方を求める若者が世界中から集まり、夢を追いかけて暮らしている。賃金水準が高く、失業者への支援が手厚い。移民やLGBTに寛容。英語が通じる。駅ピアノでナンパやってんの。オランダはもともとそういう国の成り立ち(自由貿易・自由主義)だけれど。

昨夜、NHK-BSでアムステルダム中央駅の駅ピアノをやっていた。なまじなドキュメンタリーよりもよっぽど現代世界がどうなっているかをよく教える映像に仕上がっていた。登場した7割が移民。若年。ルーマニア、カザフスタン、メキシコ、ドミニカ、キューバ、インドネシア。中南米出身が多く驚き。

春の陽気で街を出歩く人がとても多い。店の中もいっぱい。信号待ちの歩道の溜まりやエスカレーター前が密状態で危険。2週間前とは比較にならない。年末よりも人出が多くなっている感じがする。2週間後が危ない。すっかり気が緩んでいる。感染者数が増える予感。
 
 
今夜のフジのプライムニュースに森喜朗が出る。見なきゃ。https://www.bsfuji.tv/primenews/ 
 
good progress. https://www.tokyo-sports.co.jp/sports/2664486/  IOC会議出席者から「森が日本で発言するたびに状況が悪くなる」「国民への誠意がなく、言葉が足りなすぎる」「自ら首を絞める発言ばかりだ」とクレームが殺到と。最近、東スポがよくジャーナリズムしてますね。ゲンダイ以上。
 
厚労官僚がCOCOAを使ってないんだろう。それにしてもひどい。これが今の日本だ。これが今の日本の技術レベル。何が「デジタル革命」だよ。海外でも報道されるだろうが、韓国や中国の人々が知ったら腹を抱えて笑うだろうし、日本の劣化の重症度に呆れるだろう。https://digital.asahi.com/articles/ASP236SR9P23UTFL00R.html?pn=10 

徐々に崩れていく信頼、誰が大統領を殺したのか〜映画『KCIA 南山の部長たち』

2021年02月05日 | 四要素論

 

徐々に崩れていく信頼、誰が大統領を殺したのか〜映画『KCIA 南山の部長たち』

笠原眞弓

 

 


 1979年10月26日に韓国の大統領朴正煕(パク・チョンヒ)は、暗殺される。韓国内で大きな権力を持ち、南山の部長と恐れられている大韓民国中央情報部(KCIA)の部長であり革命の同志、側近中の側近の金載圭(キム ジェギュ)に。この映画は、「史実に基づいたフィクション」なので、部長はじめ、登場人物の名前が変えてある。

 物語はKCIA の部長キム・ギュピョンによるパク大統領の暗殺から始まる。彼は忠実に任務を果たし、大統領に対する忠誠心も強かったのに、なぜ暗殺に至ったのか。それが全編を流れるテーマである。

 物語は、40日前に遡る。前部長がアメリカに亡命し、アメリカ議会で大統領の不正を暴いたばかりか、回顧録も執筆しているという。それを知った大統領は、怒りに震えながら、すぐに回顧録を没収するようにキム・ギュピョンに命令する。アメリカに飛んだ彼は、緊張の面持ちで友人でもあるパク・ヨンガク前部長に会うのだが、キム・ギュピョンと争いたくないというヨンガク前部長から、かなりあっさりと回顧録を受け取って帰国する。

 ヨンガクと交わした会話は、彼を微妙に波立たせる。“南山の部長”より信を置く“イヤーゴ”に該当する人物は誰か。大統領が重用する警護室長クァク・サンチョンとの微妙な関係も表立ってくる。その関係を大統領はむしろ利用しようとする節も見える。

 画面を見ているうちに、人は相手を信じている時、心も柔らかく違いも受け入れられるが、いったん疑念が湧くと、際限がなくなりドツボにハマっていく。しかも互いに大きな権力を持っていると、歯止めが効かなくなってくる。疑いが疑いを呼び、人間として侵してはならない一線を越えるということを思い出す。

 どんどん深まる大統領との政治上の溝に、ついに決心をするキム部長。彼は裁判の最終陳述で「決して(自分が)大統領になるためではありません。民主主義の回復を……」と叫ぶのだが。

 能吏のキムは大統領を殺害後、靴を履いていなかったし、KCIAに殺されたヨンガクも片足に靴がなかった。「勝負は下駄を履くまでわからない」という諺が韓国にもあるのだろうか。あるとすれば、意味も日本と同じなら、なかなかしゃれた表現だ。

 それにしてもこれは一種の心理劇である。主役のイ・ボンヒョンなくして成り立たなかった映画だと思った。全幅の信頼を寄せていたときから徐々に暗殺を実行する。その心理を彼は顔のほんのわずかな皮膚と目線を動かすしことで表していたのだ。名優中の名優だと感服した。

*2019年韓国作品、ウ・ミンホ監督、114分/1月22日からシネマート新宿ほか全国ロードショー中