海上自衛隊が中国が不法に人口島を建設中の南沙諸島を中心とする南シナ海を、潜水艦1隻、護衛艦3隻の計4隻で訓練をしたと、朝日新聞が報じていた。南シナ海域は中国の原子力潜水艦数隻のうちの1隻が南シナ海域で巡航しているというアメリカ系の雑誌の報道にあるが、その状況の偵察もあるだろう。

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海自呉基地から南シナ海へ向けて航行する潜水艦「くろしお」=8月27日午前、広島県江田島市

 

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 防衛省が海上自衛隊の潜水艦を南シナ海へ極秘派遣し、東南アジア周辺を長期航海中の護衛艦の部隊と合流させて、13日に対潜水艦戦を想定した訓練を実施したことが分かった。海自の対潜戦訓練は通常、日本の周辺海域で行われており、中国が軍事拠点化を進める南シナ海に潜水艦を派遣して実施したのは初めて。

 複数の政府関係者が明らかにした。南シナ海は日本の商船も行き交う重要な海上交通路だが、中国が軍事力を背景に複数の岩礁を埋め立てて人工島を造成し、軍事拠点化や実効支配を強めている。今回の訓練は秘密裏に行われたが、事後的に実施を発表する方向で検討している。公海の「航行の自由」を強くアピールし、中国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。

 政府関係者によると、派遣したのは海自の潜水艦「くろしお」と、護衛艦「かが」「いなづま」「すずつき」の計4隻。