[ソウル 31日 ロイター] - 韓国のサムスン電子(005930.KS)が31日発表した第2・四半期決算は、56%の営業減益となった。供給過剰によるメモリーチップの価格下落が続いたことが響いた。
さらに、日本の半導体材料の韓国向け輸出規制強化により先行きが見通せなくなっているとし、株主還元計画を先送りすることを明らかにした。
サムスン株は3%近く下落した。
同社の投資家向け広報(IR)部門の代表、Robert Yi氏は決算発表の電話会議で「貿易摩擦の長期化による先行き不透明感が既に強いことに加え、部品事業を取り巻く海外環境はこのところ新たな試練に直面している」と述べ、「その結果、2018年から20年にかけてのキャッシュフローを合理的に予測することは、もはや不可能になった」と説明した。
第2・四半期の営業利益は6兆6000億ウォン(56億ドル)で、今月示した自社予想の6兆5000億ウォンとほぼ一致した。
売上高は56兆1000億ウォン。自社予想は56兆ウォンだった。
メモリーチップ業界はスマートフォンなど端末への需要鈍化でチップ価格が圧迫され、厳しい状況にある。
韓国の半導体大手は、日本が主要材料の輸出規制を強化したことでも打撃を受けている。
サムスン電子は、メモリーチップの需要について、下期に上向くとの見通しを示した。サーバー向けDRAMチップの顧客による購入再開に支援されるという。
チップ事業はサムスン電子にとって依然として稼ぎ頭だが、第2・四半期の営業利益は前年同期の11兆6000億ウォンから71%減少し、3兆4000億ウォンとなった。
モバイル事業の営業利益は1兆6000億ウォンで、前年同期比42%減少。フラッグシップモデルの販売鈍化やマーケティング費用の増加が響いた。
半導体大手サムスンの見通しは、スマホやその他の電子機器の今後の需要の目安となるため、投資家に注目されている。
サムスンは決算後の電話会議でメモリーチップの生産について、柔軟に対応していくと説明した。
同業のSKハイニックス(000660.KS)も、日本の対韓輸出規制の影響を受ける可能性があるとして、供給削減に向けて投資や生産を縮小する方針を示している。