先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

アップルウォッチで不整脈発見できる? 40万人超で調査

2019年12月14日 16時24分42秒 | 日記
Forbesが、アメリカの医学雑誌の調査結果を記事にしていた。それによると、、40万人の調査結果から、アップルウォッチは心房細動、不整脈を正確に検出できると言う。日本も、スマートウオッチ、だしているところ、結構ある。言うは易いが、こういう実験結果、出せなかったものだろうか?全てアメリカにやられ放しで歯がゆい。
 

米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル」にこのほど発表された調査結果は、アップルウォッチは実際にそうできるという、かなり説得力のある証拠を示すものだった。

心房細動(や心房粗動)は米国でも最もよくみられるタイプの不整脈で、毎年、米国人およそ600万人に起きている。同誌に掲載された論文によれば、一生のうちに心房細動に見舞われる人は3人に1人に上るとも推定される。心房細動はそれ自体は必ずしも問題にならないものの、脳卒中のリスクを大幅に高める恐れがある。たが、心房細動が起きても気づかない人も多いので、簡単な検出方法が実現すれば医療面で非常に役立つものになる。

今回の調査研究は規模がとても大きく、41万9297人の被験者を約4カ月にわたってモニターした。これほど多くの人に調査に参加してもらえるのは、アップルウォッチのような人気製品を持つアップルくらいだろう。やろうとしたことはいたって単純だった。アップルウォッチを利用して、心房細動や心房粗動の兆候の可能性がある脈の乱れを見つけ出す、というものだ。

調査の過程では、被験者の約0.5%に当たる2161人のアップルウォッチから、少なくとも1回の不整脈が報告された。これらの被験者にはパッチ型の心電計を送って数日間つけてもらい、実際に振動細動が起きているかどうかを調べた。その結果、心電計をつけて記録し、必要なアンケートにも回答し、心電計を返却した450人のうち、34%が実際に心房細動を発症していることが確認された。一時的な症状の人もいたが、中にはほぼ継続的な症状の人もいた。

研究では、アップルウォッチの「誤検出率」、つまり、実際には心房細動や心房粗動は起きていないのに不整脈を報告していた比率も割り出そうとした。チームは、心電計をつけた被験者のアップルウォッチから送られてきた報告をすべて評価した。すると、アップルウォッチからの不整脈についての報告の71%は、同時に心電計でも心房細動として記録されていたことが判明した。残りの29%も異常を告げるもので、うち4分の3は「頻繁な心房期外収縮」によるものだったことも分かった。

つまり、全体的に見て、アップルウォッチによる検出は驚くほど正確で、誤った率は感心するほど低かった。
 

アップルウォッチはどのように心拍の異常を見つけているか。アップルウォッチの背面には、光を検出する複数のセンサー(フォトダイオード)のほか、緑色LEDライトと赤外線LEDが内蔵されている。アップルのウェブサイトではこう説明されている。

「Apple Watchは毎秒数百回LEDライトを点滅させ、心臓が1分間に鼓動を打つ回数、すなわち心拍数を計測します」

これが可能なのは、皮膚がある程度、透けて見えるようになっているからだ。あえて言うまでもないが、皮膚の下に通う血管の一部は目でも見える。アップルウォッチは血流の計測に加えて、背面と、側面の「デジタルクラウン」と呼ぶ小さなダイヤルに内蔵されている電極を用いて、電気信号の測定もできる。再びアップルの説明を参照しよう。

「Digital Crownに指を載せると、心臓から両手を通る回路が閉じ、胸に流れる電子パルスが記録されます」

言い換えると、アップルウォッチは腕時計型の心電図モニターのように機能するということだ。アップルによれば、将来は心臓モニターの役割も果たし、一段の効果が見込まれるという。

もっとも、アップルウォッチが万全かと言うと、そういうわけでもない。一つには、アップルウォッチが心房細動を見落としていた数が不明だという問題がある。今回の調査では、不整脈が報告されたのは被験者全体のわずか0.5%にすぎなかったわけだが、残りの99.5%のうち、実際には不整脈があったのにアップルウォッチが検出しなかった人が何人いたのかは分からない。論文の著者たちも、この点(専門用語では「感度」と呼ぶ)については測ろうとしなかったと断っていて、こう強調している。

「脈の乱れについての通知が(アップルウォッチから)なかったということは、不整脈があった可能性を排除するものではない」

もう一つ留意しておくべき点は、今回の研究はアップルから資金支援を受けて実施されたものだということだ。研究を率いたのはスタンフォード大学のチームで、ほかにも一流の大学や研究機関の研究者が参加している。アップルからの助成については、論文の中で開示されている。

その一方で、アップルウォッチが心拍計として、ほかのどの装置よりもはるかに使いやすいのも事実だろう。不整脈を訴える患者は普通、心拍計を1度につき数日間ないし数週間つける必要がある。その間、体の6カ所に電極をテープで貼りつけ、それらをケーブルで装置(普通は携帯電話)に接続し、そこで記録したデータがモニター会社に送られるようにしなくてはいけない。こうしたモニター方法は費用も高額で、アップルウォッチの価格よりもずっと高い。

こう考えると、まだ不十分な点もあるとはいえ、アップルウォッチは、軽量で、身につけてわずらわしくない健康モニター機器の先駆けと言えるかもしれない。いずれにせよ、その性能はどんどん向上してきている。

空自のF2後継機、英国が共同開発の有力候補??

2019年12月14日 14時18分26秒 | 日記
 
ロイターによると、『空自のF2後継機、英国が共同開発の有力候補』と言う。英国はEU脱退が総選挙で確定したが、今後、経済も、政治も不安定になるのが、一般的は捉え方で、共同開発を全うできるのであろうか?

[東京 13日 ロイター] - 航空自衛隊の次期戦闘機計画を巡り、英国が共同開発の有力候補に浮上していることがわかった。自国軍向けの開発計画をすでに発表している英国が、日本と協力しようと秋波を送っており、米国以外とも安全保障面の関係を強化したい日本は関心を強めている。

 

<英国「テンペスト」計画>

日本は、退役が近づく「F2」戦闘機の後継機を2030年代から配備したい考え。複数の関係者によると、日本は米国以外との共同開発を選択肢として模索している。

約5万人の兵士と空母打撃群が駐留する米国との同盟が、日本の防衛政策の柱であることに変わりない。しかし、中国が軍事力を急速に高める中、日本は他の友好国とも軍事協力を強めようとしており、英国はその筆頭に位置する。

一方、空軍の次期戦闘機「テンペスト」を計画する英国は、コスト面で現実的な開発計画を取りまとめるため、2020年末をめどに、負担を共有できるパートナー国を探している。

関係者によると、英国は日本に対し、戦闘機の中身であるシステムや電子機器の共同開発を提案。開発した技術の知的財産権を活用するのに制限を設けず、機体やエンジンも日本が自由に設計できる。


原始星の周りにも不飽和な炭素鎖分子、生命の元?

2019年12月14日 14時11分37秒 | 日記

原始星、赤ちゃん星の周りに「不飽和な炭素鎖分子」があると思われる発見は、生命の起源を探る意味でも大きな発見となる。理化学研究所の女性研究員がNatureに投稿した小論文をNational Geigraphicが紹介していた。従来、原始性の周辺も、電離ガスのプラズマで高温で、文氏は存在しえないと思われていたが、今回の発見は、生命の誕生に大きな手掛かりになるかも。

理化学研究所主任研究員の坂井南美さん。
 

以下、NationalGeographicの記事の要約::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

「星間分子雲には存在する有機分子のひとつではあるんですが、その後、原始星ができる時点ではなくなっているはずだとされていました。不飽和なものって反応性が非常に高いので、星が生まれる前の密度の低い分子雲の中ならともかく、原始星が出来る場所のように密度が上がってくると、すぐ他の分子とぶつかって反応しちゃいます。壊れて当然なので、ないと思われていたわけです」

「原始星の周りには、ガスやチリからできている円盤というのがあって、さらにその外側にエンベロープと呼ばれる降着ガス雲があります。私たちの観測はそのエンベロープも含めた全体の化学組成を観測しただけで、原始星の近くだけを見たら違うのではないかというものです。その可能性は否定できなくて。というのも、分解能の問題があったからです。それまでの観測では、カメラの画像の1ピクセルに、太陽系の大きさの10倍から数10倍ぐらいの大きさの範囲を写しているみたいなもので、原始星の円盤とその周囲のエンベロープの区別がつきません」

野辺山の45メートル電波望遠鏡で100時間かけて解析。捉えたい宇宙からの電波が微弱すぎて、普通に観測するだけでは感度が足りず、100時間分のデータを重ね合わせることで、ノイズに埋もれていたスペクトル線をくっきりと際立たせた。これは、カメラで暗がりを撮影する時に、長時間露光すると暗いところも見えてくるのとまったく同じ理屈だ。

 一方、分解能は、いくら時間を使っても解決できない。望遠鏡の口径や観測する波長(周波数)にかかわるもので、同じ望遠鏡で同じ周波数帯を見る限り、分解能の上限は同じだ。

 そこで登場するのが、チリのアタカマ砂漠に建設されてちょうど運用を開始するところだったALMA(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)だ。ALMAは複数の電波望遠鏡(アンテナ)からなるいわゆる干渉計というタイプのもので、アンテナのひとつひとつは12メートル(54台)や7メートル(12台)と比較的小さい。しかし、それらを離して配置して、受信した電波をひとつの巨大な望遠鏡のものとして扱うことで、実質的な口径を大きく取ることができる。

 2011年に試験運用が始まった時、坂井さんの提案も採択されて、2012年に観測が実現した。

チリのアタカマ砂漠にあるアルマ望遠鏡。(画像提供:坂井南美)
 

「ALMAの分解能は、これまでの100倍以上なので、原始星やその周囲のガスの様子を分けて見ることができました。私たちとしては、外側のガスから、原始星の周りにできている円盤、つまり、太陽系の大きさのようなスケールのところまで、炭素鎖分子が届いているかどうかが見たいわけです。観測データを見て、予想通り炭素鎖分子がそこまで届いていると分かりました。私たちが主張していた通り、原始星の円盤の化学組成は、飽和したギ酸メチルのようなものだけではなく、炭素鎖分子のような不飽和な場合もあり、つまり多様だと言えたわけです。でも、それだけではなかったんです」

 化学組成について追い求めようとした坂井さんたちは、ここで原始星の構造や運動といった物理的な側面に踏み込むことになる。

「たとえば、炭素鎖分子は、原始星から100天文単位(150億キロ程度。1天文単位は地球と太陽の距離)の外側で見つかるのに、それより内側には見当たらなかったんです。一方、一酸化硫黄(SO)という物質は、ちょうどその100天文単位のあたりで急に増えて、その内側にも見られます。これは、100天文単位のところで、何か化学的な変化が起きているということです。それで、こういった分子がどんな運動をしているのかドップラー効果を見ると、どうやら、そこが原始星の円盤の端だと考えるのが一番妥当だと分かったんです」

 原始星の周りの降着円盤には、外からいろいろなものが原始星の周りを回転しながら落ちてくる。それはのちのちに惑星系に発展するもとになるものだから「原始惑星系円盤」などとも呼ばれる。さらにもっと遠くなって「エンベロープ」と呼ばれるようなガス雲の広がりに至るまで連続的にスムーズにつながっていると以前は考えられてきた。しかし、坂井さんたちが見出したのは、明確な区切りがあるということだ。