先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

ポスト5G開発へ基金設置、若手研究者支援基金も

2019年12月23日 17時47分18秒 | 日記

 

 

[東京 19日 ロイター] - 政府は19日、未来投資会を開催し、これまでの各議論を踏まえて、来年夏の成長戦略実行計画に関する中間報告をとりまとめた。その中で、5G情報通信インフラの集中的整備への減税措置、ポスト5Gのシステムや先端半導体技術の日本企業による開発を支援するため、複数年のプロジェクト推進に基金を設置することが盛り込まれた。また人材育成に向け、大学などの研究者を対象に研究構想支援へ一定期間、安定的に支援する事業の基金を創設する。

 

未来投資会議でとりまと

めた中間報告は、新たな分野への投資促進策と、6つの個別テーマを盛り込んだ。

主な内容は以下の通り。

<新たな分野への投資促進>

1.企業内部資金の新分野への投資促進

●2012年度から18年度までの企業の現預金は26.5%増加したが、企業の営業利益に対する設備投資や研究開発費比率が低下している。これらの金融資産をスタートアップ企業の資金供給に活用するため、創業10年未満、未上場のスタートアップ企業に対する1億円以上の出資について、25%の所得控除の措置を講じる。地域経済をけん引する中小企業による1000万円以上の出資にも同様の措置を講じる。

2.人材

●若者の異能人材による先が見えない創造的な研究への支援

大学などの研究者の職務時間に占める研究時間は2002年の46.5%から18年の32.9%に減少。中長期的な視野に立った独創的・挑戦的な研究が困難となっている。このため、若手研究者を中心に研究構想を公募し、一定期間、安定的に支援する事業(基金)を創設する。

<個々のテーマ>

1.デジタル市場

●プラットフォーマーの取引透明化法案を2020年の通常国会に提出。

個人情報保護法の見直し、改正案を2020年通常国会に提出。

デジタル広告市場の実態調査を行い、来春めどでその競争状況の評価についても中間整理を行う。

●安全・安心な5G情報通信インフラの早期の集中的な整備を行うため、全国キャリアの高度送受信装置などの前倒し整備について15%の税額控除の措置。ローカル5Gの送受信装置などの設備投資についても15%の税額控除を講じる。

またポスト5Gは日本が強みを持つ産業分野にかかることから、日本企業が挽回できる唯一のチャンスと位置づけ、日本の基幹産業の競争力の核となりえるポスト5G情報通信システム・半導体開発に向け、複数年のプロジェクトを安定的かつ効率的に推進するための基金を設置。

2.地域インフラの維持

●乗合バスや地域銀行について、合併・共同経営による経営力強化により、将来にわたってサービスを維持するため、独占禁止法の特例法案を2020年通常国会に提出。附則に10年以内に本法を廃止するものとする旨を規定。

3.中小企業などの生産性向上

4.フィンテック

●銀行以外も100万円超の送金を可能とするなど、資金決済法の改正法案を2020年の通常国会に提出。

金融サービス仲介法制について、銀行・証券・保険の全分野の商品サービスを扱えるようにするなどの規制緩和を行う法整備を検討し、2020年の通常国会に法案を提出。

●キャッシュレス促進策として、来年9月から21年3月末までの期間、マイナンバーカードを活用してマイナポイントを付与する消費活性化策を実施、2万円の前払いなどに対し5000ポイントを付与。

5.モビリティ

●2019年度内に65歳以上の高齢者を対象に、自動ブレーキ装備の車の購入を支援する措置を開始。

6.エネルギー・環境


東レが,三菱航空機への炭素繊維「供給打ち切り」 

2019年12月23日 17時31分05秒 | 日記

 

 

Yahooニュースによると、『三菱航空機への炭素繊維、供給打ち切り ボーウィングの指示に服従』と報じていた。三菱にとっては致命傷であろう。高価な炭素辺に代わって、セルロース・ナノ・ファイバーが実用化されるであろうが、まだまだ時間がかかる。三菱もだらだら時間をかけすぎた。

東レは三菱航空機の小型旅客機「スペースジェット」向けの炭素繊維供給を打ち切ることを決めた。顧客向けの引き渡しが大幅に遅れているスペースジェットにとっては、衝撃の「絶縁宣言」。炭素繊維は航空機素材で最重要だ。供給は東レ、帝人、三菱ケミカルの三社が八〇%超を占め、機体開発の初期段階から素材のスペックを決めて作り込むため、途中で他メーカーに乗り換えることは困難だ。
「試験機生産から抜けられない三菱航空機に東レが愛想を尽かした」と関係者は指摘するが、東レが年間一千五百億~二千億円を納入するボーイングが難色を示したという。ボーイング機とスペースジェットは機体サイズが異なるため、直接競合していなかったが、ボーイングがブラジルのエンブラエルの小型旅客機事業を買収。エンブラエルの主力機材はスペースジェットと完全に競合するため、ボーイングは東レが同機に供給した場合、自社の炭素繊維関連技術が流用される懸念を持ったという。
 取引規模からみて東レがボーイングに逆らえなかったのは当然だが、期待の国産旅客機に難題がまたひとつ増えた。