先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

太平洋横断ケーブル、米が阻止か 中国関与で安保懸念

2019年08月31日 09時07分21秒 | 日記

ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、グーグルやフェイスブックが後押ししている太平洋横断海底ケーブル敷設事業を、米司法省当局が国家安全保障上の見地から阻止しようとしている。

 複数の省庁にまたがる通信審査委員会を率いる司法省は、中国通信サービス大手の鵬博士電信伝媒集団の参加と、この「太平洋光ケーブルネットワーク(PLCN)」が香港との直接の結びつきをもたらす点を警戒し、断固として反対する姿勢を示した。

アメリカの司法省が率いる「Team Telecom」という複数機関から有識者を集めた政府間パネルが、アメリカと中国をつなぎ両国で高速インターネットを提供するために開通が予定されている海底ケーブルのプロジェクトに反対しているとのこと。海底ケーブルは理論上、中国のスパイ活動に利用される可能性があると専門家の指摘に基づく物である。

Team Telecomが懸念を示している海底ケーブル開通プロジェクトは、GoogleおよびFacebook、そして中国で4番目に大きな通信事業者である鵬博士電信伝媒集団(Dr. Peng Telecom&Media Group)の3社により支援されています。Team TelecomはDr. Peng Telecomが中国政府と深いかかわりを持っている点が問題視されている模様。

ロサンゼルスと香港を結ぶこの8000マイル(約1万3000km)にもおよぶ海底ケーブルは建設がほぼ完了しており、2019年9月に建設に関する許可が期限切れになります。Team Telecomによる指摘の影響で海底ケーブルの開通に向けた動きが妨げられる可能性があると報じられています。

 


これに対して、香港のISPであるHKISPAが「技術的にいえば、 VPNやクラウド、暗号化などのテクノロジーを含む現代のインターネットの複雑さを考えると、香港のインターネット全体を大規模なファイアーウォールの監視下にでも置かない限り、インターネット上のサービスを効果的にブロックすることはできません」と指摘しています。

さらに、HKISPAは「オープンなインターネットに無理な制限を課すと、元の制限が有効にならず、最終的に香港のインターネットが大きなファイアーウォールの監視下に置かれることにつながる」と指摘。もしそのような状況に陥れば、より多くの制限が生じることとなるとも警告しています。加えて、アメリカ政府が海底ケーブルを制限しようとしていることは、香港におけるオープンインターネットの終えんへとつながり、国際的なビジネスが香港に投資する現状が潰える危険性すらあると指摘しています。

アメリカ政府は海底ケーブルプロジェクトを妨害することで、中国ユーザーが特定のインターネットサービスにアクセスできないようにすることを望んでいるわけですが、そのような状況にはならないとHKISPAは指摘。海底ケーブルプロジェクトを妨害しても、中国側が巨大なファイアーウォールを用いて中国ユーザーのインターネット状況を完全な監視下に置かない限り、「ユーザーはVPNなどを駆使してインターネットにアクセスすることが可能である」とHKISPAは指摘しています。

尚、IIJによると、インターネットにおける国際データ通信の99%は海底ケーブルによって運ばれている。19世紀半ばから敷設が始まった海底ケーブルは指数関数的な勢いで総容量が増えており、今日では総長100万キロメートルを超え、数百本のケーブルからなる複雑な網目構造が、世界のほぼすべての地域を結んでいます(下記図)。この中には、大手事業者のグローバルサービスの大容量運用バックボーンに加え、陸上接続の乏しい地域への接続を確保するためのケーブルがある。

TeleGeograpyによる海底ケーブル図(2018年7月)


レースの聖地で最速ラップを塗り変えた中国の吉利汽車社

2019年08月30日 12時46分19秒 | 日記

中国リンク&コー 03シアン・レーシング・コンセプト

ルノーの持つニュルブルクリンク最速ラップ記録が破られた。中国製のリンク&コー社の「03シアン・レーシング・コンセプト」のマシンが今月、ドイツ・ニュルブルクリンクで前輪駆動車による最速ラップタイムを叩き出した。

7分20秒143。そう、ルノー・メガーヌ RS トロフィーRの7分40秒の記録を破ったのだ。

「リンク&コーは聞いたことがない」と驚く読者が多いと思う。「いったい、どういうことだ」と好奇心が湧いた人もいるだろう。

この話はすればするほど複雑になっていくので、できる限り簡単に説明すると、「リンク&コー」はボルボを買収したことで知られる中国の吉利汽車社(ジーリー)という巨大な自動車グループのいちブランドだ。



スタートアップであるリンク&コーが作る「03」は、ボルボのコンパクト・モジュラー・プラットフォームを採用しながら、リンク&コーが外観スタイリングを担当した。その見た目は全体的にスリークではあるけど、グリルは真っ平らで、少し古く感じる。新車なのに、もうマイナーチェンジが必要ではないかと思えるほどだ。

ところで、このスウェーデンと中国の合作プロジェクトの最重要ポイントは、吉利汽車社のモータースポーツ部門に当たる「シアン・レーシング」だ。すでに同チームは、ヨーロッパを中心に開催されているワールド・ツーリングカー選手権(通称「WTCR」)に参戦する「03シアン・レーシング」のマシンを運営している。
 
昨年まではポールスターと呼ばれたシアン・レーシングの03号車は、528馬力を叩き出す2Lターボを搭載し、6速シーケンシャルA/Tと組み合わせている。このパワートレーンのおかげで、同車はゼロから100km/hまでの加速タイムが4.4秒で、最高速度は310km/h。

すでに優勝もしているスウェーデンを拠点にしているシアン・レーシングは、元WTRC選手権の王者だったアンディ・プリア選手を含め、スウェーデンの優秀なドライバーやエンジニアを採用し、優勝を狙っている。いや、実はその優勝の夢はすでに1回叶えているし、3回も表彰台に登っている。

リンク&コーが今までに発表した3台の車種は全車、「03」と同様のプラットフォームを採用している。「01」は中国市場を中心に開発されたクロスオーバーだし、「02」はそれより小型のクロスオーバーになっている。

リンク&コーの車両のベースとなるボルボ車のほうは、2020年までに交通事故のよる死亡者をゼロにするという動きがだんだんと強まり、そのためには、一般車の最高速度を180km/hに制限しようとしている。しかし、そうしたフィロソフィは当然、レースに参戦するシアン・レーシングには関係ない。



ニュルブルクリンクで最速ラップ記録を出すことは、特に欧州でのブランドの宣伝になる。リンク&コーはもちろんそれを知ってるだろう。

そして、同じ方向を見ているチェリー社、ブリリアンス社、グレートウォール社などの中国の自動車メーカーが近い将来、リンク&コーと同様の作戦を立てる可能性は大いにある。中国の進出は始まったばかりだ。

南米の森林火災、巨大な自然破壊になりつつある?!

2019年08月29日 05時16分00秒 | 日記

南米・ブラジルなどで続くアマゾンの森林火災。その焼失面積は四国の面積を超えたと言う。アマゾンの森林は地球の肺と言われている様に、それが無くなると、地球の自然環境が大幅に阻害される。NASAが地球観測衛星「テラ」と「アクア」で撮った写真で見ると、朱色部分が火災地域だそうで、南米の森林火災の巨大さが分かる。

 

                              8月15〜22日に地球観測衛星「テラ」と「アクア」が「MODIS」(中分解能撮像分光放射計)で観測

朱色はブラジル、ボリビア、ペルー、パラグアイ、エクアドル、ウルグアイ、アルゼンチン北部、コロンビア北西部で示されているが全て南米で観測した火災を示すものと言うから、南米の森林火災の規模がとてつもないことが分かる。

NASAの下記の写真の解説しているので、掲載したが、詳細は掴めなかった。


The map above shows active fire detections in Brazil as observed by Terra and Aqua MODIS between August 15-22, 2019. The locations of the fires, shown in orange, have been overlain on nighttime imagery acquired by VIIRS. In these data, cities and towns appear white; forested areas appear black; and tropical savannas and woodland (known in Brazil as Cerrado) appear gray. 

Now, Visible Infrared Imaging Radiometer Suite (VIIRS) Corrected Reflectance Imagery is produced in near real-time (NRT), providing continuity from the MODIS Corrected Reflectance imagery which was developed to provide natural looking images. 


日本はもはや後進国!

2019年08月28日 16時06分10秒 | 日記

 

ニューズウィークが「日本はもはや後進国であると認める勇気を持とう」とコラムで記述しているが、言い得て妙とは、言うものの、もはや後進国とは! ただ、日本の経済成長は、1995年頃のバブル崩壊後、止まっていて、今日まで、経済成長が望める見込みは全くなく、失われた20年をどう回復するか政府や民間で考えているが見通しが立っていない。その意味でもこのコラムの指摘は的を得ている。


世界経済のネタ帳と言うサイトが下記URLを基に作成したもの

https://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=NGDPD&c1=JP&c2=US&c3=CN&s=&e=


 

<日本は「かつて豊かだった」のではなく、もともと貧しかったのだ。事実、日本の労働生産性の順位はこの50年間ほとんど変わっていない。昔から傑出した技術大国であったという自らの「勘違い」に向き合わねば、日本経済はトンネルを抜けることはできない>

「日本はAI後進国」「衰退産業にしがみついている」「戦略は先輩が作ったものの焼き直しばかり」。ソフトバンクグループの孫正義社長による手厳しい発言が話題となっている。多くの人が薄々、感じている内容ではあるが、公の場では慎重に言葉を選んできた孫氏の性格を考えると、一連の発言は異例であり、事態が深刻であることをうかがわせる。

実際、日本は多くの面で先進国から脱落しており、ここから再度、上位を目指すのはかなり難しい状況にある。私たちには、日本はもはや後進国になったことを認める勇気が必要かもしれない。

 

数字で見ると今の日本は惨憺たる状況

このところ日本社会が急速に貧しくなっていることは、多くの人が自覚しているはずだが、一連の状況はすべて数字に反映されている。

日本の労働生産性は先進各国で最下位(日本生産性本部)となっており、世界競争力ランキングは30位と1997年以降では最低となっている(IMD)。平均賃金はOECD加盟35カ国中18位でしかなく、相対的貧困率は38カ国中27位、教育に対する公的支出のGDP比は43カ国中40位、年金の所得代替率は50カ国中41位、障害者への公的支出のGDP費は37カ国中32位、失業に対する公的支出のGDP比は34カ国中31位(いずれもOECD)など、これでもかというくらいひどい有様だ。

日本はかつて豊かな国だったが、近年は競争力の低下や人口減少によって経済力が低下しているというのが一般的なイメージかもしれない。だが、現実は違う。

先ほど、日本の労働生産性は先進各国で最下位であると述べたが、実はこの順位は50年間ほとんど変わっていない。日本経済がバブル化した1980年代には、各国との生産性の差が多少縮まったものの、基本的な状況に変化はなく、ずっと前から日本の生産性は低いままだ。1人あたりのGDP(国内総生産)が世界2位になったこともあるが、それはほんの一瞬に過ぎない。

日本が輸出大国であるという話も、過大評価されている面がある。

2017年における世界輸出に占める日本のシェアは3.8%しかなく、1位の中国(10.6%)、2位の米国(10.2%)、3位のドイツ(7.7%)と比較するとかなり小さい。中国は今や世界の工場なので、輸出シェアが大きいのは当然かもしれないが、実は米国も輸出大国であることが分かる。驚くべきなのはドイツで、GDPの大きさが日本より2割小さいにもかかわらず、輸出の絶対量が日本の2倍以上もある。

 

日本は「かつて豊かだった」のではない

ドイツは過去40年間、輸出における世界シェアをほぼ同じ水準でキープしているが、日本はそうではない。1960年代における日本の輸出シェアはかなり低く、まだ「安かろう悪かろう」のイメージを引きずっていた。1970年代からシェアの上昇が始まり、1980年代には一時、ドイツに肉薄したものの、その後は一貫してシェアを落とし続けている。

生産性や輸出シェアの数字を検証すると、ひとつの特長が浮かび上がってくる。

日本は1960年代までは敗戦の影響を色濃く残しており、社会は本当に貧しかった。しかしオイルショックを経て、70年代の後半から日本は徐々に豊かになり、バブル期には一時、欧米各国に近づくかに見えたが、そこが日本のピークであった。
 
日本は「昔、豊かだったが、今、貧しくなった」のではなく、日本はもともと貧しく、80年代に豊かになりかかったものの「再び貧しい時代に戻りつつある」というのが正しい認識といってよいだろう。

筆者はことさらに日本を貶めたいわけではないが、状況の認識を誤ってしまうと、処方箋も間違ったものになってしまう。日本は昔から貧しかったという厳しい現実を直視し、正面から対峙することこそが、本当に国を愛する心だと筆者は考えている。

冒頭でも紹介した通り、孫氏は、近年の日本企業について「戦略は先輩が作ったものの焼き直しばかり」であると指摘しているわけだが、以前の日本企業は違ったのだろうか。これについてもそうとは言い切れない部分がある。

日本企業の本当の強みは何か?

パナソニックという会社は、かつて松下電器産業という社名だったが、昭和の時代には、よく「マネシタ(真似した)電器」と揶揄されていた。トヨタも今でこそ、レクサスといったブランド商品を出せるようになったが、米ゼネラル・モーターズの自動車を参考に製品の開発を続けてきたのは有名な話である。

パナソニックに限らず、日本企業の多くは、欧米企業がヒット商品を出すと、すぐにそれを真似して(今の言葉で言えばパクって)、より安い価格の製品を出すというのが定番商法だった。マネシタ電器とはこれを皮肉った言葉だが、単にモノマネがダメだというニュアンスで、この言葉が使われていたわけではないことに留意する必要がある。

「日本人にはイノベーティブな製品を発明する能力はないが、既存製品を改良する優れた技能があり、それが日本人のパワーだ」とポジティブに捉える日本人は少なくなかった。当時、安値販売に邁進する日本メーカーの影響で、多くの欧米企業が倒産に追い込まれたが、国内世論は「安くて良いモノを出す企業が勝つのは当然だ」という雰囲気であり、路頭に迷う外国企業の社員について配慮すべきだという声や、顧客はよいモノに対して高いお金を払うべきだといった議論はほぼ皆無であった。

 

つまり、マネシタ電器という言葉は100%悪い意味ではなく、賢くて商売上手であるというニュアンスが含まれており、むしろ、パクり商法で利益を上げることこそが、弱小国家が生き残る道であるとポジティブに評価していたのだ。

 

だが、バブル期を経て、社会が多少、豊かになり、日本人は自らの技術力を過信し、昔から傑出した技術大国であったという錯覚を持つようになってしまった。この基本認識の違いが、現状維持のバイアスを強く発揮することになり、結果として孫氏が指摘するように「衰退産業ばかりにしがみつく」結果をもたらしている。

もはや投資会社に変貌しているソフトバンクに対しては、自らは技術を開発しないという点で、常に虚業であるとの批判が寄せられてきた。だが、モノマネに代表されるように、自身ではイノベーティブな開発はしないものの、アイデアと狡賢さ、そして行動力で勝負するのが日本企業の強みであるならば、実はソフトバンクというのは、典型的な日本企業とみなすこともできる。

日本は後進国に転落したという事実を謙虚に受け止め、これを逆手に取って、もっと狡猾に立ち回る企業が増えてくれば、袋小路に入った日本経済にも光明が差してくるのではないだろうか。

 

日本で「搾取」されるアジアからの労働者たち

2019年08月28日 12時07分49秒 | 日記

BBCガ報道していた。「日本で「搾取」される移民労働者たち」  動画での報道が主なので、下記に動画を掲載した。

ここから→BBCのニュース←ここまで

https://www.bbc.com/japanese/video-49471735

 

この問題はかなり前から問題となっているが、政府は早急に本格的な対策をしないと、国の経済活動を支えるには外国人が不可欠となっているのに、日本は沈むしかない。