東洋経済が、『実験で新事実「ウレタンマスク」の本当のヤバさ』という記事で、ウレタンマスクはスカスカとの、国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター長の検証結果を載せていた。その検証データ、分かりやすいので、メモッテ見た。
元の資料は→URL https://toyokeizai.net/articles/-/409607?page=2
また、マウスガードについても、断言します。マウスガードはマスクの代用にはなりません。エアロゾルを介した感染に対する防御には無力です。感染対策にはなっていませんという。
西村秀一/国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター長・臨床検査科長兼ウイルス疾患研究室長。1984年山形大学医学部医学科卒。医学博士。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)客員研究員、国立感染症研究所ウイルス一部主任研究官などを経て、2000年より現職。専門は呼吸器系ウイルス感染症。『史上最悪のインフルエンザ―忘れられたパンデミック』(みすず書房)、『感染爆発―見えざる敵=ウイルスに挑む』(金の星社)、『ワクチン いかに決断するか――1976年米国リスク管理の教訓』(藤原書店より今月再出版の予定)などの訳書や論文多数
アメリカでは、7月までに国民全員にワクチン接種が出来ると言われており、それに伴い、新型コロナウィルス退治は今年の年末には収まるであろうと言われている。しかし、CNNが 、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は21日、CNNの番組に出演し、米国の人々は新型コロナウイルスへの対策として2022年も依然としてマスクを着用する必要がある「可能性がある」との見方を解説していた。ファウチ氏は今年の年末までにはある程度通常の状態に戻るだろうとも述べた。
日本では、ワクチンの接種は、年内いっぱいかかる気配だから、コロナ退治は来年の夏ころという事になるのだろうか?
また、日本人は、コロナウィルスの免疫遺伝子があるというから、意外に早く退治できるかもしれない。TVが放映していたが、東京都医学総合研究所がまとめていたので引用した。
ネアンデルタール人より受け継がれた新型コロナウイルス感染症の重症化に関わる遺伝要因
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化に関わる人の遺伝的な要因が報告されています。 「新型コロナウイルスの重症化の遺伝的要因(2020/07/02掲載)」の記事に、その詳細について記載しました。その記事の中で、3番染色体のSLC6A20、LZTFL1、FYCO1、CXCR6、XCR1、CCR1、CCR3、CCR9など多くの遺伝子がある領域の一塩基多型(SNP)が、重症化と関連すると記載しました。このSNPのリスクタイプを有すると重症化するリスクが2倍ほど高くなることが明らかにされています。
この3番染色体のCOVID-19重症化のリスク要因は、実はネアンデルタール人より受け継がれたものであることが、ペーボ博士らによってNature誌に報告されました。ペーボ博士は、進化遺伝学の分野でとても有名な先生で、ヒトの言語発生と関わる遺伝子の同定や、ホモ・サピエンスのゲノムの中にネアンデルタール人のゲノムが混じっていて、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人が交雑していたことを明らかにしてきました。
ペーボ博士らは、このCOVID-19の重症化と関連するSNPのリスクタイプが持つ、次の特徴に注目しました。①リスクタイプは、ヒトにおいて49,400個の塩基からなるハプロタイプ*1 を形成していました。論文上ではこれをコア・ハプロタイプと定義してます。②さらに、このコア・ハプロタイプの外側においても弱いながら、長いハプロタイプを形成していました。実は、こうしたハプロタイプの持つ特徴は、ネアンデルタール人よりホモ・サピエンスに受け継がれた可能性があることが先行研究によって明らかにされていたため、さらなる解析が実施されました。
次に、南ヨーロッパにおいて発掘された約5万年前のネアンデルタール人のゲノムで、この領域を解析しました。その結果、期待した通り、このネアンデルタール人はSNPのリスクタイプを持っており、さらにヒトで見られたコア・ハプロタイプと、よく似たハプロタイプを持つこともわかりました。シベリア南部の約12万年前と約5万年前のネアンデルタール人のゲノムも調べた結果は、一部共有する部分はあるものの、全体としてハプロタイプの形が異なる(つまり似ていない)こともわかりました。
さて、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人は、共通祖先から約55万年前に分岐したと言われています(ネアンデルタール人は約4万年前に絶滅)。そのため、COVID-19の重症化と関連するコア・ハプロタイプに関して、次の二つの可能性が考えられます。①ホモ・サピエンスとネアンデルタール人の共通祖先から引き継いだ。②ネアンデルタール人で発生し、それがホモ・サピエンスに受け継がれた。解析の結果、このハプロタイプの特徴から、②である可能性が非常に高く、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが交雑した結果、ネアンデルタール人からホモ・サピエンスに受け継がれたものであると結論付けました。
COVID-19の重症化と関連するコア・ハプロタイプを、南アジア系の人が高い頻度で保有し、特にバングラデシュ人の60%以上の人が保有します。一方、ヨーロッパ系の人は20%弱がこのコア・ハプロタイプを保有しますが、アフリカ系と東アジア系の人は保有する人はほとんどいません。このような頻度の大きな違いは、通常起こることでないことを論文上で統計学的に明らかにしています。そして、このことは過去に自然選択の影響を受けた可能性があることが示唆されます。
ネアンデルタール人からホモ・サピエンスに受け継がれたゲノムは、免疫反応に関わるものがあり、ホモ・サピエンスの生存に影響を与えたのではないか言われています。特に、バングラデシュ周辺では、ネアンデルタール人から受け継がれたゲノムが正の自然選択によって残っていったと報告されていています。ペーボ博士らは、このコア・ハプロタイプを持つ人は、新型コロナウイルス以外のある病原体に対して抵抗力があった可能性があると推察しています。一方、そのすぐ近くの東アジアでは、ほとんどの人がこのコア・ハプロタイプを持っていません。かつて東アジアでこのコア・ハプロタイプを持つ人は、コロナウイルスやその他のある病原体に対して抵抗力が弱かったため、負の自然選択によってその頻度が減っていってしまったかもしれないと考察しています*2。このように、ヒトは病気、特に感染症とともに進化してきたとも言えます。そして、今現在、私たちは新型コロナウイルスによる選択下にいるのかもしれません。
- *1
ハプロタイプとは、一つの染色体上のDNA配列のことです。世代を経るごとに、そのハプロタイプは染色体の組換えにより、断片化していきます(図1)。長いハプロタイプが観察されるということは、長い距離にわたって組換えが起きていないとも言えます。 - *2
何が原因でこのコア・ハプロタイプの頻度が減ったり、増えたりしたのかは、昔(過去)に起きたことですので、現在その原因を確実に同定するのは難しいかもしれません(論文にはこれは書いていません)。
図1
子3は組換えが起きており、片方のハプロタイプが短くなっています。さらに世代を経るごとに組換えにより、最初のハプロタイプは次第に短くなります。また染色体上で遠いところとは組換えが起きやすく、近いと組換えは起きにくい。
ニューズウィークが、『中国はアメリカを抜く経済大国にはなれない』という記事を載せている。その一番の根拠は、労働人口の減少という。労働人口の減少で生産性が落ちてゆくというのは確かに的を得ている。下記の中国の人口ピラミッドを見ても、2020年になって以降は、若手の労働人口が減っているからである。
1996,2021,2045の人口ピラミッド https://population-pyramid.net/ja/pp/%E4%B8%AD%E5%9B%BD による
<中国の経済は近いうちにアメリカを上回って世界一になると予想する声は多いが、労働人口と生産性の動向に着目し、中国は永遠に二番手のままで終わるという説が登場した>
中国の経済は2050年になっても依然としてアメリカを上回ることはできず、世界第2位に留まる可能性がある、という分析を、ロンドンを拠点とする経済調査会社キャピタル・エコノミクスが発表した。
同社の予想は、中国の経済力が遠からず世界一の経済大国アメリカを超えるという一般的な見方を覆すものだ。
中国の経済的影響力は、アメリカのように着実には増加していかない、と同社は予測しており、その一因として2030年までに中国の労働人口が年間0.5%以上減少することを指摘した。一方、アメリカの労働人口は中国よりも高い出生率と移民による人口増加に支えられて、今後30年間で拡大すると見られている。
「生産性の伸びの鈍化と労働人口の減少によって、中国はアメリカを追い越すことができないという展開になる可能性が最も高い」と、同社は分析している。
同社の報告によると、アメリカと中国の経済力の関係がどうなるかは、生産性の行方と、インフレおよび為替レートの動向にかかっている。 中国が2030年代半ばまでにアメリカを追い抜かないとすれば、「永遠に追いつくことはないだろう」。
さらに「中国がアメリカをしのぐことがあっても、その地位を維持するのに苦労するかもしれない」と付け加える。だが、2030年以降の中国における労働者の生産活動の伸びはアメリカよりも速く、両国間の所得格差は縮小し続けるだろう。
人口動態の逆風が足かせに
この報告書の筆者であるキャピタル・エコノミクスのアジア担当主任エコノミスト、マーク・ウィリアムズによれば、中国の成長が鈍化している最大の要因は、指導者である習近平(シーチンピン)国家主席が経済開放の努力を拒んだことだ。
「国家による経済の支配は、共産党が中国社会のすべてを支配するべきであるという習近平の信念の1つの側面だ」と、ウィリアムズは本誌に語った。
「ほとんどの人が、中国の経済は今後も大きく成長を続け、アメリカを追い抜くのは時間の問題だと考えている。私の見解では、中国の経済成長は過去10年間で大幅に減速しており、今後も減速し続ける可能性が高い。これは主に生産性の伸びが減退しているからだ」
「そうであれば、中国は2030年頃に経済規模でアメリカに近づくかもしれないが、追い越すことはできない」と、彼は語った。
「人口動態の逆風」は今後も中国経済の足を引っ張り続けるとウィリアムズは言い、「中国が経済力でトップになることがあっても、労働人口の減少が拡大するにつれて、再び後退する可能性がある」と、付け加えた。
昨年、中国はアメリカとのGDPギャップを埋め、経済は2.3%拡大して14.7兆ドルに達した。ビジネス専門ケーブルテレビCNBCの報道によると、アメリカのGDPとの差は6.2兆ドルで、2019年の7.1兆ドルから縮めている。
今年1月に発表された米国商務省経済分析局(BEA)の暫定的な見積もりによると、アメリカのGDPは昨年2.3%縮小して20.93兆ドルになった。
先月発表された別の分析は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によってアメリカの経済は中国より大きな打撃を受けたため、予想よりも早く中国のGDPがアメリカを追い抜く可能性があるとしている。野村グループによる予測では、「合理的な成長予測」において、中国は2028年までにアメリカを追い越す可能性があるとされている。
だがフランスの投資銀行グループ、ナティクシスのアジア太平洋地域担当主任エコノミスト、アリシア・ガルシアヘレロは、中国の経済はアメリカに後れを取ったままになる可能性があることに同意した。
「それは、中国の平均実質GDP成長率が2035年以降に約2.5%で推移するかもしれないからだ。これは、中国がアメリカに追いつく努力を止め、別の道を行く可能性さえあることを意味する」と、ガルシアヘレロは本誌に語った。
「労働力の減少はその理由のひとつだが、生産性の低下も影響を与えている」と、彼女は付け加えた。
不祥事続くボーイング。日本のTV 各社も米コロラド州デンヴァー近郊で現地時間20日午後1時(日本時間21日午前5時)過ぎ、米ユナイテッド航空の旅客機ボーイング777の破片が住宅地に次々と落下した映像を放映していた。下の写真の様にエンジンが燃えたからという。米議会で、ボーイングの利益優先と事実隠ぺい体質を結論づけたという。
墜落して大勢の死傷者を出して生産停止になった737、バッテリーが火を噴き、また、低酸素状態になるという787。
ボーイングの主力機になるはずであった、7373Maxの2度の墜落により、米下院査問員会で審査されていて、その結果は日経とか主だったマスコミがレポートしている。それによると、米議会下院の運輸・インフラ委員会は16日、2度の墜落事故を起こしたボーイングの小型機「737MAX」についての最終報告書を公表した。「ボーイングが利益を優先し、設計上の重大な欠陥を隠蔽した」と結論づけた。米連邦航空局(FAA)の審査も不十分で、欠陥を見抜けなかったと批判した。