『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

こぶしをふるっています!

2007年12月14日 03時40分21秒 | かぁちゃんにまつわる話
近頃、頓に元気なかぁちゃんの様子をご報告。

今週はおとなしくしているけれど、先週、かぁちゃんは随分面白かった。
散歩しながら、色んな人に出会えたからかしら?気持ちが高揚していたようで、

いつものコーヒータイム。
ベッドに腰掛けてサイドテーブルに用意する。
カップに少し手を添えて手伝うとちゃんと口に運んで、時間をかけて一口ごくり。
手を添えないと、いつまでもカップを握って、じっと見つめている事が多い。
ゆっくりと時間が流れる・・・これが、いつものスタイル。

ところが先週のかぁちゃんは
私がちょいと離れると、カップから手を離してはたいてしまった。
あわれカップは中身を入れたまま、ころりころりと床へ・・・
ミルクコーヒーはサイドテーブルを伝ってポタリポタリ・・・
「んがぁ!」と叫んで雑巾を取りに猛ダッシュ!!・・・かぁちゃんは・・・
「うふふっうふふっ」とめちゃくちゃ嬉しそうに笑ってる

落ち着いてしばらくおとなしくテレビを見ていたかぁちゃん・・・
今度はいきなりサイドテーブルを握ったままの左手で えいっ、やぁぁっ!!
いや、そのように戦いを挑まずとも・・・
んで、やっぱり息を弾ませる程に「うふふっうっふっふっ」・・・


ん~・・・遊んでくれと言う事か??


そんな風に数日を過ごしたある日、
夕食の準備をしていると、テレビから太鼓の音が聞こえてきた。
かぁちゃんを見ると、ありゃ こぶしをふるってリズムを取ってる~っ!!
おおお、かぁちゃん ♪えんやとっと♪ のリズムに大きく反応!!

理由は分かった!!
デイサービスでのリハビリの時に「ソーラン節」が使われているからだぁ

そっか、そっか、なら試しにやってみっか
って事で、♪や~れんそ~らん そ~らんそ~らん はいっはいっ♪と歌ってみた。
かぁちゃん、頭をこくりこくりとさせてリズムを取りながら・・・
♪そ~らん、そ~らん♪と、うれしそうに一緒に歌った~っ

でね、でね、ついでに【炭坑節】も歌ってみたらね
♪つっきがぁでったでった~♪の後につづけて、
かぁちゃん一人で♪つきがぁぁでた~♪だって~っ

実はかぁちゃんは演歌が苦手。私もほとんど歌えない。
けれど、こちら系にこんなにノリノリならばと歌えるだけ歌ってみる。
大漁節に、こきりこ節、おてもやん・・・それからぁ・・それからぁ・・・

知らん!わからん! という事で、【大利根月夜】も仲間に入れて
近頃毎日、童謡に混じって、私はこぶしをまわし、かぁちゃんはこぶしをふるっている。

あの~、かぁちゃん・・・「あざみの歌」の方が歌いやすいんですけどぉ・・・
と言うより、巷ではクリスマスソングが流れる季節なんですけどぉ・・・

もうすぐ・・・イブがぁくるくっる~っ イブがぁぁ来るぅぅ はいっはいっ








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アドベント2週目に入りましたよ

2007年12月10日 18時27分07秒 | おもひでばなし
《何じゃこりゃぁ!でもそれが愛しい》

毎日のお仕事の手始めは、まず飲み水作り。
もちろん、ちゃんと水道の蛇口から水は出る
けれど、水圧がとても低いので、フラットの3階に住んでいた我が家では、
ポンプで屋上に有る貯水タンクに一旦水を引き上げてから使用していた。
 
問題は、浄水設備が整っていないので、水道から出る水はぁ・・・濁ってるっ♪
濁ってるというより、薄いミルクティ そこで!インド製のこれが大活躍!!


              “不純物除去装置”・・・いや、単にろ過器だけど
              
        時間をみて、せっせせっせと上のタンクに水を入ておくと
        綺麗になった水は、ぽたり、ぽたりと下のタンクに溜まる

上のタンク内に素焼きの棒(きりたんぽのでっかいのみたいな形♪)が中央に着いていて、
濁った水が、その素焼きの陶器のちいさな穴にじわりじわりと浸透して透明な水になる仕組み。

んで、その美しき透明な水を、3つあるやかんに入れて煮沸消毒。
それを冷ましてペットボトルに入れて・・・・・を繰り返す。
この水、飲み水だけじゃなく、歯磨き、野菜の仕上げ洗い、米のとぎ水
何より、怪我をした時の傷口を洗う時に必要不可欠な大切な水なので欠かせない。

改めて気付いた事。
水は大切だぞ~っ!! 日本製のペットボトルは丈夫だぞ~っ!!

え?お風呂?・・・ありますわよ~・・・天然泥入浴剤入り・・・
なのでもっぱら水圧の弱いシャワーで我慢。
え?衛生面で大丈夫なのかって?・・・そんな事は言ってられないんだもん。
医者に聞くと健康体では問題ないとの事だったので、必要なのは最初の勇気と諦めだけ。
それがですよ、これが何と!! Ⅱのアトピーがいつに間にか治っちゃった
いやぁ、何が幸いするか分かりません。


水作りから始まって、食事の準備も日本とは大違い。
とにかくですよ・・・日本では当たり前に売ってる物がある筈も無く・・・。
輸入品の並ぶスーパーは滞在中に新しく出来たけど、高価だし、
ある時に買っておかないと、次に買えるか買えないのかはわかんなぁい
何より治安上自由に外出が出来ないので、箱入り嫁はついに籠の鳥に・・・
しかも一日の大半を冷房機器のない台所で過ごす羽目に。

そんな私を慰めてくれた?のが、我が家のハウスガールと
お隣(隣家は二件分を改造してインド人のお金持ちさん一家が住んでいた)さん。
・・・じゃなくって、お隣のハウスガールさん達

私の名前はスワヒリ語で“数字のひとつ”なので、どこへ行っても名前を言うと大爆笑の大受け。
隣のガールさん達は、事有るごとに「mamaK!!」と大きな声で声をかけてくれた。
窓はルーパー式で機密性が低く、金属製の網戸がはめ込んであるけど声は筒抜け

「mamak!何してんの?」
「今、ご飯の準備だよぉ。」
「今日は暑いね。」
「暑いよぉ、でも友達が来るから忙しいんだよぉ。」と、台所の窓ごしにお喋り。

片言の単語だけ繋ぎ合わせたスワヒリ語。足りない言葉を補ってくれたのが
      
                
              我が家のヤンママハウスガールの スーさん
              鉄格子の向こうには隣のガールさん達も~♪

スーさんはとってもお洒落なので、普段は素敵な洋服を着ている。
この時は、私がカンガを買って来たので、着方を教えてもらうついでに記念撮影。

日本から飛行機を乗り継いで二日がかりでたどりついた常夏の国。
国が抱えている問題もたくさんあったし、マイナス面を上げるときりがないし
毎日が「なんじゃ、こりゃぁ!?」だったけど
いつも側に彼女達のはじけるような笑い声があった

だからね・・・
私はとても幸せで、かの国の“おもひで”は胸キュンな愛しさと共にあるのです






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塩パン

2007年12月06日 02時53分52秒 | 日々の出来事
リハパンが残り少なかったので、かぁちゃんを車椅子に乗っけて久しぶりに商店街へ出かけた。

ドラッグストアからの帰りに、馴染みにしているパン屋さんへ寄った。
「まぁ、おかぁさん、久しぶり。」
私が通りがかるといつも「お母さん、どうしてはる?」と声をかけてくれるおばちゃんは、
車椅子のかぁちゃんの顔を覗き込んで、目をうるうる。

昔ながらのパン屋さん。流行のお洒落なパン屋さんの雰囲気は何も無いけど
メーカーのパンに混ざって、手作りのサンドウィッチやクロワッサンが並ぶ。
その中でも特にお気に入りなのが“塩パン”
素朴な素焼きのコッペパン。なのだけどほのかにしょっぱくて、ふわっふわっ
ホットドッグにしたらピカイチだし、そのままでもOK!
けど、その日は見当たらなかったので「今日は塩パンないの?」って聞いたら
「あれ、もうでけへんねん。」とすまなそうにおばちゃんが言った。
「お父さんがいてたら焼けるんやけどな、私ではあの味は無理やねん。」
「え?ご主人は・・・?」って聞いたら、
「あっと言う間やったわ。」ってぽつり。


ごめんね、おばちゃん。ちっとも知らなかった。
・・・もう、食べられないんだ、あの塩パン・・・。

18歳の頃から慣れ親しんだ商店街。
この30年近くの間に、随分様変わりしてしまった。
顔馴染みのおっちゃん、おばちゃんの居る店は年々無くなって行く。
公設市場はスーパーマーケットに。コンビにも増えた。
人と同じで、商店街も年老いて力尽きたり、新しい命が生まれたり・・・。

かぁちゃんと私の事を、皆さん結構覚えてくれていて
私が一人でうろうろしてると必ず聞いてくれる人達がいる。
「おかぁさん、どうしてはるの?」と
「双子ちゃん、大きくなりはったやろなぁ。」が必ずワンセット。

その訳は・・・半年程かぁちゃんがチビ達の子育てを手伝ってくれた頃、
お揃いの抱っこベルトにチビ達をくっつけ、散歩がてら、いつも商店街への買出しに。
・・・チビ達を・・・?



               
               子ぐま二匹の誤りです 
     


「何や、ぬいぐるみかと思ったら人間やんかぁ!」って行く度に笑いを取ったっけ。
月足らずの未熟児だったので、その頃は服から手足が出てなかったもんなぁ。

塩パンがもう食べられないんだって・・・・・・。
その事が、一瞬過去へのタイムトリップを促す・・・・・。

なんてぇ事を許してくれないのが、大阪のおば・・・おばぁちゃん
帰り道、かぁちゃんより、随分お年を召した方が手押し車を押しながら、
ずん ずん ずん ずんっ!!っと、目の前に・・・ええええっ?
「まぁ、あんた!若いのに、車なんか乗せてもろてっ!!」と何やらご立腹
知らない人だし~・・・・・・
あはははっ!と引きつった笑いで会釈をして家に帰って来たのだけれど、
車椅子から降ろす時かぁちゃんの顔を見てびっくり。

左目の下に涙の雫が一粒

かぁちゃん、泣いてるの??・・・ひゃぁぁ、ばぁちゃんが怖かった???

って言うか、「うふふ」以外にかぁちゃんが感情を表現するなんて・・・
悲しかった?怖かった?びっくりした???
わおぉぉん。いいじゃない!いいじゃな~いっ!!

忘れていた感情を思い出したのか、その数日後少々ご乱行
・・・と言う話はこの次に・・・。

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アドベントにはいりましたよ。

2007年12月02日 03時21分54秒 | おもひでばなし
《それは「ウメメハクナ」で始まった》


ガールさんが教えてくれた最初のスワヒリ語は「ウメメ、ハクナ!マタティゾ!!」
ライオンキングで「ハクナマタタ」って歌があったような・・・?
あの「マタタ」と同じ意味の「マタティゾ」「ハクナ」は「ない」っていう事なので、
「ハクナマタティゾ」は問題ない!だいじょ~ぶっ!!って言う意味なんだけど、
「ウメメハクナ!マタティゾ!」は「電気がない!問題だ!」って事。
・・・実に様々に問題大だったのである。

電気がねぇ!ガスがねぇ!水がねぇ!・・・いや、もちろんずっと無い訳じゃなく
問題ない時の方が多かったし、電気だって酷いときでも1日6時間程度は来てたよ。
ただ、われわれは日本人! “湯水の如く”と言う言葉がある程、水や電気はあって当たり前。
水道から透明なお水がザーザー出る事をありがたいとも思った事がなかったのにぃ!!



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突然、何言ってるんだ?と思われました?ごめんなさい。

今年もクリスマスを待つ季節。
ここで、クリスマスのカウントダウンをするのも二度目。
せっかくなので、今年もいつもと全く違った話題を・・・と言っても、
余り特別な経験をしないまま今まで生きてきたので、もうあれしかない

と、言う事でクリスマスを待つ4週間、日曜日には
“とつくに”で暮らした時の話を、思い出してみようかな・・・。

え~、光陰矢の如しとはよく言ったもので、異郷の地から帰って来年で10年。
そりゃ歳も取るわなぁ・・・そろそろ記憶も薄れ始めて来たので、
忘れ去らないうちに、ぽれぽれ家のどたばた海外生活のお話を一席。

しかし、思い出せば出す程、色々ありすぎて何を書けば良いのやら・・・




昨年のクリスマスの季節に触れた火炎樹をまず・・・

           
           庭木でも、路地裏にも、今の季節を彩る“クリスマスツリー”



庭木と言えば(決して日本の庭のイメージはしないでください)
                           
    パパイヤ!                        バナナ!
    種からこうなるまでに1年かからない!       校庭にあった。ジャングルじゃないよ!    
    (ちなみに我が家はフラットだったので共有の庭にはマンゴーのでかい木だけしかなかった)



                
     牧場?いいえ、道端です!!             露天の果物屋さん。バナナは吊るして、
     車道にウシやヤギ。これ当たり前の風景。     オレンジ、パイナップルは地面に山積み。



写真をスキャンしないで携帯で撮るという横着をしているので、
ただでさえ発色の悪い写真が尚映りが悪くなってしまって、申し訳ないのですが、
クリスマスシーズン限定という事でお許しくださいませ。


1996年の私の誕生日に日本を脱出。1998年の誕生日に帰路に着くまで
ぽれぽれ家はこ~んな所。アフリカはタンザニアで暮らしておりました・・・というお話。
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