リハパンが残り少なかったので、かぁちゃんを車椅子に乗っけて久しぶりに商店街へ出かけた。
ドラッグストアからの帰りに、馴染みにしているパン屋さんへ寄った。
「まぁ、おかぁさん、久しぶり。」
私が通りがかるといつも「お母さん、どうしてはる?」と声をかけてくれるおばちゃんは、
車椅子のかぁちゃんの顔を覗き込んで、目をうるうる。
昔ながらのパン屋さん。流行のお洒落なパン屋さんの雰囲気は何も無いけど
メーカーのパンに混ざって、手作りのサンドウィッチやクロワッサンが並ぶ。
その中でも特にお気に入りなのが“塩パン”
素朴な素焼きのコッペパン。なのだけどほのかにしょっぱくて、ふわっふわっ
ホットドッグにしたらピカイチだし、そのままでもOK!
けど、その日は見当たらなかったので「今日は塩パンないの?」って聞いたら
「あれ、もうでけへんねん。」とすまなそうにおばちゃんが言った。
「お父さんがいてたら焼けるんやけどな、私ではあの味は無理やねん。」
「え?ご主人は・・・?」って聞いたら、
「あっと言う間やったわ。」ってぽつり。
ごめんね、おばちゃん。ちっとも知らなかった。
・・・もう、食べられないんだ、あの塩パン・・・。
18歳の頃から慣れ親しんだ商店街。
この30年近くの間に、随分様変わりしてしまった。
顔馴染みのおっちゃん、おばちゃんの居る店は年々無くなって行く。
公設市場はスーパーマーケットに。コンビにも増えた。
人と同じで、商店街も年老いて力尽きたり、新しい命が生まれたり・・・。
かぁちゃんと私の事を、皆さん結構覚えてくれていて
私が一人でうろうろしてると必ず聞いてくれる人達がいる。
「おかぁさん、どうしてはるの?」と
「双子ちゃん、大きくなりはったやろなぁ。」が必ずワンセット。
その訳は・・・半年程かぁちゃんがチビ達の子育てを手伝ってくれた頃、
お揃いの抱っこベルトにチビ達をくっつけ、散歩がてら、いつも商店街への買出しに。
・・・チビ達を・・・?
子ぐま二匹の誤りです
「何や、ぬいぐるみかと思ったら人間やんかぁ!」って行く度に笑いを取ったっけ。
月足らずの未熟児だったので、その頃は服から手足が出てなかったもんなぁ。
塩パンがもう食べられないんだって・・・・・・。
その事が、一瞬過去へのタイムトリップを促す・・・・・。
なんてぇ事を許してくれないのが、大阪のおば・・・おばぁちゃん
帰り道、かぁちゃんより、随分お年を召した方が手押し車を押しながら、
ずん ずん ずん ずんっ!!っと、目の前に・・・ええええっ?
「まぁ、あんた!若いのに、車なんか乗せてもろてっ!!」と何やらご立腹
知らない人だし~・・・・・・
あはははっ!と引きつった笑いで会釈をして家に帰って来たのだけれど、
車椅子から降ろす時かぁちゃんの顔を見てびっくり。
左目の下に涙の雫が一粒
かぁちゃん、泣いてるの??・・・ひゃぁぁ、ばぁちゃんが怖かった???
って言うか、「うふふ」以外にかぁちゃんが感情を表現するなんて・・・
悲しかった?怖かった?びっくりした???
わおぉぉん。いいじゃない!いいじゃな~いっ!!
忘れていた感情を思い出したのか、その数日後少々ご乱行
・・・と言う話はこの次に・・・。
ドラッグストアからの帰りに、馴染みにしているパン屋さんへ寄った。
「まぁ、おかぁさん、久しぶり。」
私が通りがかるといつも「お母さん、どうしてはる?」と声をかけてくれるおばちゃんは、
車椅子のかぁちゃんの顔を覗き込んで、目をうるうる。
昔ながらのパン屋さん。流行のお洒落なパン屋さんの雰囲気は何も無いけど
メーカーのパンに混ざって、手作りのサンドウィッチやクロワッサンが並ぶ。
その中でも特にお気に入りなのが“塩パン”
素朴な素焼きのコッペパン。なのだけどほのかにしょっぱくて、ふわっふわっ
ホットドッグにしたらピカイチだし、そのままでもOK!
けど、その日は見当たらなかったので「今日は塩パンないの?」って聞いたら
「あれ、もうでけへんねん。」とすまなそうにおばちゃんが言った。
「お父さんがいてたら焼けるんやけどな、私ではあの味は無理やねん。」
「え?ご主人は・・・?」って聞いたら、
「あっと言う間やったわ。」ってぽつり。
ごめんね、おばちゃん。ちっとも知らなかった。
・・・もう、食べられないんだ、あの塩パン・・・。
18歳の頃から慣れ親しんだ商店街。
この30年近くの間に、随分様変わりしてしまった。
顔馴染みのおっちゃん、おばちゃんの居る店は年々無くなって行く。
公設市場はスーパーマーケットに。コンビにも増えた。
人と同じで、商店街も年老いて力尽きたり、新しい命が生まれたり・・・。
かぁちゃんと私の事を、皆さん結構覚えてくれていて
私が一人でうろうろしてると必ず聞いてくれる人達がいる。
「おかぁさん、どうしてはるの?」と
「双子ちゃん、大きくなりはったやろなぁ。」が必ずワンセット。
その訳は・・・半年程かぁちゃんがチビ達の子育てを手伝ってくれた頃、
お揃いの抱っこベルトにチビ達をくっつけ、散歩がてら、いつも商店街への買出しに。
・・・チビ達を・・・?
子ぐま二匹の誤りです
「何や、ぬいぐるみかと思ったら人間やんかぁ!」って行く度に笑いを取ったっけ。
月足らずの未熟児だったので、その頃は服から手足が出てなかったもんなぁ。
塩パンがもう食べられないんだって・・・・・・。
その事が、一瞬過去へのタイムトリップを促す・・・・・。
なんてぇ事を許してくれないのが、大阪のおば・・・おばぁちゃん
帰り道、かぁちゃんより、随分お年を召した方が手押し車を押しながら、
ずん ずん ずん ずんっ!!っと、目の前に・・・ええええっ?
「まぁ、あんた!若いのに、車なんか乗せてもろてっ!!」と何やらご立腹
知らない人だし~・・・・・・
あはははっ!と引きつった笑いで会釈をして家に帰って来たのだけれど、
車椅子から降ろす時かぁちゃんの顔を見てびっくり。
左目の下に涙の雫が一粒
かぁちゃん、泣いてるの??・・・ひゃぁぁ、ばぁちゃんが怖かった???
って言うか、「うふふ」以外にかぁちゃんが感情を表現するなんて・・・
悲しかった?怖かった?びっくりした???
わおぉぉん。いいじゃない!いいじゃな~いっ!!
忘れていた感情を思い出したのか、その数日後少々ご乱行
・・・と言う話はこの次に・・・。