7月31日夜、新宿の三井ビル55HIROBAで芸能山城組のケチャまつり2010をみた。昨年はバナナのたたき売りまでみたが、今年は夕方のブルガリア女声合唱から最後のケチャまで、後半の演目をすべてみた。ケチャをみるのは21年ぶりだった。
ケチャの演技の前に合唱パターンの解説がある。4拍子を4分割した1/16拍に「チャッ」という音を、4パートのリズムに分かれて入れていく。4つのリズムは「プニャチャ」「チャクリマ」「チャクナム」「プニャンロット」という名前だ。合唱して合成すると「ケチャケチャ、ケチャケチャ」という音に聞こえる。舞台に解説図を広げ、観客をグループに分けて体験させる。21年前とまったく同じでなつかしかった。
いよいよケチャが始まったのは20時過ぎ、昼は暑かったがこの時間になると汗は出るものの心地よい風が吹いている。
30人ほどの上半身裸の男たちが広場に円形に座る。彼らの男性合唱がメインで、男たちは猿の軍団や城壁にもなる。お経のような独唱、木遣りのような朗々とした独唱、ご詠歌のような重唱、そこにときおり激しいケチャのリズムが入る。戦いの場面では急を告げ、リズムが速くなる。
主要な役はラーマ王子、シータ姫、ラワナ王の3人だが、そのほか弟ラクサマナ、猿のハノマン、聖鳥ガルーダ、猿王スグリワなどが登場するのでストーリーは意外に複雑だ。ラーマーヤナから採録されたストーリーはこちらのサイトを参照。全部で40分ほどかかる長編舞踊だが、一番派手な場面をこのサイトでみることができる。
まつりというと家族連れのイメージが高いが、ここは新宿なので20代の若い観客や外人客が多い。若い人のなかには真剣な眼差しでケチャの踊りをみつめている人がいた。ひょっとするとダンスをしている人かもしれない。
「みちのくの太鼓」をはじめてみた。長い角をもつ鹿の仮面をかぶった6人の踊り手による奥州市江刺区(旧江刺市)の奥山行上流餅田鹿踊である。「ドンドンドンツク、ドンドンドンツク」「ドンドンドドント」と太鼓の音が響く。
山から鹿が下りてきて、リーダーが安全な場所か確認し、白い角を地面に打ち付けて安全だというサインを出す。若い鹿2匹が跳ねまわり、もう1匹を誘いに行く。3匹で遊んだ後、リーダーが「日が暮れるので山に帰ろう」と知らせに来る。シンプルだが、鹿と人間が共生している山のくらしがわかるストーリーだった。
ウルトラマンのバックミュージックで登場したのはバナナマン。「バナナを買わない悪者はだれだ? お前か、それともお前か」と迫力のある声を上げながら水鉄砲の水を容赦なく観客に飛ばす。
「わたしが来たからには安くするわけにはいきません。必ず買っていただきましょう」。そして、たまたまバナナマンと目が合った一人目の「犠牲者」はケチャップとマスタード、2人目は七味唐辛子、3人目はのりとワサビをたっぷりつけた激辛バナナを食べさせられる。
「3列目なら不幸を回避できるという、あなたの予測の甘さに警鐘を鳴らしたい」
「すべての人があなたの不幸を祈っている。一思いに楽になるんです」
「この苦しみは3日3晩消えることはない」
といった芝居がかったセリフを、合唱できたえた迫力ある声でかたると、観客は大笑いする。
最後は、バナナを競り落とした人に「○○さんの将来に幸多からんことを祈りつつ、お手を拝借」と三三七拍子で締める。
バナナマンは20年前は高校の先生だったが、いまでは校長を務めているそうだ。
ケチャの演技の前に合唱パターンの解説がある。4拍子を4分割した1/16拍に「チャッ」という音を、4パートのリズムに分かれて入れていく。4つのリズムは「プニャチャ」「チャクリマ」「チャクナム」「プニャンロット」という名前だ。合唱して合成すると「ケチャケチャ、ケチャケチャ」という音に聞こえる。舞台に解説図を広げ、観客をグループに分けて体験させる。21年前とまったく同じでなつかしかった。
いよいよケチャが始まったのは20時過ぎ、昼は暑かったがこの時間になると汗は出るものの心地よい風が吹いている。
30人ほどの上半身裸の男たちが広場に円形に座る。彼らの男性合唱がメインで、男たちは猿の軍団や城壁にもなる。お経のような独唱、木遣りのような朗々とした独唱、ご詠歌のような重唱、そこにときおり激しいケチャのリズムが入る。戦いの場面では急を告げ、リズムが速くなる。
主要な役はラーマ王子、シータ姫、ラワナ王の3人だが、そのほか弟ラクサマナ、猿のハノマン、聖鳥ガルーダ、猿王スグリワなどが登場するのでストーリーは意外に複雑だ。ラーマーヤナから採録されたストーリーはこちらのサイトを参照。全部で40分ほどかかる長編舞踊だが、一番派手な場面をこのサイトでみることができる。
まつりというと家族連れのイメージが高いが、ここは新宿なので20代の若い観客や外人客が多い。若い人のなかには真剣な眼差しでケチャの踊りをみつめている人がいた。ひょっとするとダンスをしている人かもしれない。
「みちのくの太鼓」をはじめてみた。長い角をもつ鹿の仮面をかぶった6人の踊り手による奥州市江刺区(旧江刺市)の奥山行上流餅田鹿踊である。「ドンドンドンツク、ドンドンドンツク」「ドンドンドドント」と太鼓の音が響く。
山から鹿が下りてきて、リーダーが安全な場所か確認し、白い角を地面に打ち付けて安全だというサインを出す。若い鹿2匹が跳ねまわり、もう1匹を誘いに行く。3匹で遊んだ後、リーダーが「日が暮れるので山に帰ろう」と知らせに来る。シンプルだが、鹿と人間が共生している山のくらしがわかるストーリーだった。
ウルトラマンのバックミュージックで登場したのはバナナマン。「バナナを買わない悪者はだれだ? お前か、それともお前か」と迫力のある声を上げながら水鉄砲の水を容赦なく観客に飛ばす。
「わたしが来たからには安くするわけにはいきません。必ず買っていただきましょう」。そして、たまたまバナナマンと目が合った一人目の「犠牲者」はケチャップとマスタード、2人目は七味唐辛子、3人目はのりとワサビをたっぷりつけた激辛バナナを食べさせられる。
「3列目なら不幸を回避できるという、あなたの予測の甘さに警鐘を鳴らしたい」
「すべての人があなたの不幸を祈っている。一思いに楽になるんです」
「この苦しみは3日3晩消えることはない」
といった芝居がかったセリフを、合唱できたえた迫力ある声でかたると、観客は大笑いする。
最後は、バナナを競り落とした人に「○○さんの将来に幸多からんことを祈りつつ、お手を拝借」と三三七拍子で締める。
バナナマンは20年前は高校の先生だったが、いまでは校長を務めているそうだ。