多面体F

集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

秋のイベントとして定着しつつある築地はしご酒2024

2024年12月01日 | 日記

少し紅葉が始まった秋晴れの土曜午後、恒例の築地昼はしごが開催された。やや風が強い日だった。今年の参加店は50店、開催日のみ500-600円のつまみで飲めるイベントだ。
かつては安いスペシャルメニュー以外に、通常の商品を通常価格で飲み食いできる店が大半だったが、イベントが定着するにつれ客数が増え、イベント終了の夕方17時ころまではスペシャルメニューのみの店になったように思える。

わたしは、まず今年2月に開業したばかりの、立喰い寿司あきらAkilab.を目指した。
14時スタートなので、14時5分くらいに到着したが、すでに10人くらい並んでいた。「寿司」という言葉に反応した人が多いのだろう。

当然寿司はなく、この日のメニューは牡蠣クリームフライ(500円)と本マグロねぎま汁(600円)の2種だった。日本酒は選ぶことができたので、山形の山法師にしてみた。とても小さいプラスチックカップで、しかもフライが出来立てのあつあつだったせいもあり、味はほとんどわからなかった。山形の酒で辛口だったらしい。ネットで調べると北村山地区の6つの醸造元が合併し1972年に六歌仙という名で創業したようだ。北村山は山形市・天童市の北側の地域だ。
わたしの席は、5-6人は入れるカウンター席だったが、2階にテーブル席があるようだ。
2軒目は、駅に近い築地和み。店構えは高級和食店、しばらく外で待ち入店すると30人以上は入れる店だった。
体がかなり冷えたので酒は焼酎の出汁割り、料理は「たっぷりあさりの和風クラムチャウダー」。あさりというよりしじみのようだったが、大根、にんじん、しめじなどの野菜や刻んだベーコンもうまく、体が温まってよかった

カウンターなので、里芋や大根の皮をむくプロの料理人の仕事ぶりをみることができた。絵になっており、それだけでも楽しめた。
どういうわけか、幼児連れのファミリーもいた。もちろん子どもはアルコール抜きのはずだが・・・。

次に、場外市場を歩いた。路地が入り組んだ商店街に14店もの参加店が並ぶ。土曜昼ということもあり海外からの観光客が目立った。またそういう客をターゲットに、ここ1-2年でオープンした店も多い。狭くて混んでいるが、客のエネルギーが充満し盛り上がっている店が多かった。わたしはそういう店は避けて、オープンエアの伊勢正の店先で一杯やった。平日はどうも鰹節、煮干、昆布の乾物店のようだ。
この日のメニューはおでん(500円)と和牛ホルモン煮込み(600円)で、わたしは大根、こんにゃく、さつま揚げのおでんと福正宗の燗酒をいただいた。

カラシと並んで伊勢正オリジナル(きす)味噌というものがあった。味噌にキスのすり身でも混ぜてあるものなのだろうか。もちろん定番のカラシもよいのだが、甘い鱚味噌を付けるのも珍しいからか、おいしかった。そのほか本枯節というものが机に置いてあった。あとで調べると、普通の鰹節は荒節でそれにカビ付けをし熟成させたものが本枯節だそうだ。これは大根やこんにゃくに付けるのではなく出し汁に混ぜるのだと思う。深みのある出汁になった。おでんそのものもネタが大きくおいしいかったが、鱚味噌や本枯節という工夫があることを知った。
店先で中学生くらいの女子が小さい音だがエレキギターで、ユーミンやミスターチルドレンの曲をバックミュージック付きで弾いていた。もちろん趣味なのだろうが真剣な表情だった。聞くと小学校5年生とのことで驚いた。楽しく飲んでいるオジさんのなかには手拍子を打っている人もいた。いいパフォーマンスだった。

最後に、築地長屋6-7-7に入った。変わった店名だが、小さい交差点に面した店で店先の電柱に貼り付けられた住居表示が築地6-7-7だったので、そのまま店名にしたそうだ。本業は隣町にあるふぐ料理の店で、築地に空き古民家をみつけ、2軒分まとめて店にしたそうだ。伝統的な下町の長屋の建物が印象的だ。かつてはこういう民家がたくさんあったが、いまでは珍しくなった。
スペースの3/4くらいはふぐ料理店、残りの1階角部分を立飲み居酒屋にした。食べログでは13席とあるが、もう少し入れるようにも思えた。開業4年目に入ったとのことだ。
通常はてっぴ(650円)、てっさ(1300円)、ふぐの唐揚げ(700円)といったふぐ料理やイワシの梅煮(700円)、パクチーポテト(600円)などを出す。

この日のメニューはふぐの蒸し白子ポン酢とごま塩てっさだった。わたしは白子と熱燗にした。ふぐの白子を食べるのははじめてだ。形は真っ白のマシュマロのようだった(撮影が悪く、よくわからないものになってしまい申し訳ない)。酒の銘柄を尋ねると「ゆうほ」といわれ、UFO? そんな日本酒があるのかと思ったが、「遊穂」という石川・羽咋の酒のようだ。

築地はしご酒というイベントは、コロナ後昼はしごという名になって4回目だが、本願寺の境内でチケットを売っていたはしご酒のときから数えると10周年だそうだ。わたしは2015年に初めて訪問し、今回で7回目なので結構来場している。
わたしは日本酒が置いてある店をもっぱら回っているので和風惣菜をつまむが、ワイン、ビール、ハイボール、紹興酒が中心で、ピッツァ、パエリア、ジェラート、生ハム、パテ、餃子のあるイタリアン、スパニッシュ、中華の店もある。珍しいところではコーヒー、かけそば、肉まん、ワンタンを置いている店もある。ここ2,3年でオープンした新しい店も多い。
14-18時という時間帯のせいもあり、若い男女、特に女性グループが増えてきた。おそらく地元の人より、職場の友人など遠くから来ている人が多いと思われる。秋に開催される築地のイベントとして、だんだん定着しつつあるようだ。

●アンダーラインの語句にはリンクを貼ってあります。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 図書館・博物館を巡った2024... | トップ | 安田浩一が語る「クルド人差... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事