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集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

安倍国葬反対9.27大行動と代々木の9.19大集会

2022年10月02日 | 集会報告

9月27日(火)14時、秋晴れの国会正門前、平日昼間にもかかわらず1万5000人もの人が結集した。同時刻に武道館で安倍晋三の安倍晋三儀が挙行され、これに反対する「安倍元首相「国葬」反対! 9.27国会正門前大行動」が開催されたからだ(主催:安倍元首相の『国葬』に反対する実行委員会)
主催者代表・菱山南帆子さん(憲法9条を壊すな!実行委員会)のあいさつが力強かったので、少し長くなるが引用する。

いま日本武道館で行われていることは自由民主党による自由民主党のお葬式だ。今日から自民党は自由も民主も捨てたカルト政治家を祀り上げるカルト依存の政党となった。(略)安倍元首相は8年8カ月という長期にわたる首相在任期間に限らずその政治活動のすべてを憲法破壊と民主主義を傷つけることに費やしてきたといっても過言ではない。日本の政治を戦争へと向かわせ社会を差別排外主義に染め上げてきた根源に自民党とカルト集団統一教会との構造的癒着があった。そしてその癒着のキーマンが安倍元首相であったということが、いまどんどん明らかになってきた。このような人物を国葬にして安倍政権の8年8カ月の悪政を美化するようなことを許しては絶対にならない。安倍元首相は戦後最低最悪の政治家としてその名を歴史に刻まれるべきだ。(略)
岸田政権は市民の力やわたしたちの民意を完全になめきっていた。これが民意だ! だから岸田政権の支持率はいま危険水域になっているではないか、手を緩めてはならない。支持率をさらに叩き落とし岸田内閣を打倒しようではないか。
武道館では民主主義のお葬式が行われている。いまわたしたちが立憲主義の象徴である国会正門前で行っているこの行動は民主主義の逆襲だ。巻き返しのための歴史的総決起行動だ。政治の私物化、女性差別、格差拡大、民族差別、歴史修正、民主主義破壊、そして憲法破壊、こんな政治はもうウンザリだ! 
みなさん、今日を岸田政権と安倍政治の終わりの始まりにし、わたしたちの手で決着をつけようではないか。(略)
いままさに武道館で黙祷の時間になった。武道館はあちら、憲政公園の奥のほうだ。あちらに向けて「黙祷を強制するな」というコールを上げていきたい。鳴り物の準備はいいですか。メチャクチャな国葬は中止しなければならない。
シュプレヒコール「黙祷を強制するな! 国葬反対、国葬中止、民主主義を取り戻そう! 反対世論の声を聞け! 赤木さんを忘れない、国葬中止、今すぐ中止! 国葬中止、今すぐ中止!


続けて立憲野党4党、1会派からスピーチがあった。
反対の趣旨は
・国葬令は1947年に廃止されている。憲法違反の法的根拠のない国葬をわたしたちは認めない。
・国葬を閣議決定で決め、議会が関与していない。議会無視、国民無視だ。
・国葬は憲法14条法の下の平等に反し、敬意・弔意の強制という点で19条思想良心の自由にも反する
・しかも安倍元首相は、憲法違反の安保法制を強行。その他、特定秘密保護法、共謀罪(テロ等準備罪)など、違憲の法律を強行成立させた。
・モリ・カケ・桜で政治を私物化し、118回も虚偽答弁し、文書改ざんを繰り返した。さらに旧統一教会とズブズブの関係をつくり自身が最大の広告塔になった。
というもので、だいたい共通していた。
参加したのは、社民・福島みずほ党首、立民・杉尾ひでや、近藤昭一、阿部知子、吉田はるみの4議員、共産・志位和夫委員長など15議員、れいわ・くしぶち万里、大石あきこ議員(到着順)、さらに沖縄の風・伊波洋一議員のメッセージ代読があった。
伊波さんは、上記に加え安倍政権は、沖縄県民にとって知事選・県民投票の民意を無視し辺野古新基地建設工事を強行、台湾有事を煽り南西諸島に自衛隊ミサイル部隊を配備、教科書検定で集団自決の記述削除させた、と非難した。
またれいわの山本代表は浸水被害・断水被害の静岡の現地の声を聞こうと静岡に行っているとのことで、命や暮らしの危機が迫っているこういうときに自民党の(ほぼ)全議員が武道館に集まっている。「政治はなにをやっているんだ」とくしぶち議員が訴えた。わたしはそれもひとつの見識だと思った。

その後、田中優子さん(前法政大学総長)、フェミニストでカソリックの栗田隆子さん、在日ミャンマー人たちの労働組合会長のミン・スイさん、「慰安婦」問題の梁澄子さんたち7人のスピーチがあった。このころわたしはボランティアのカンパ集めをやっていたので、ゆっくり話を聞くことはできなかった。
ただ坂手洋二さん(劇作家)の「安倍はいろんな新しいひどい法律をいっぱいつくり、あとはペンペン草も生えない。おカネがいくらかかってもかまわないと思っている。いまどうですか、日本いま一番貧乏な国になろうとしてますよ!」と怒り、叫ぶ声の印象が強い。坂手さんは、1989年の昭和天皇死去に際し自粛強要に絶対反対するため、4日3晩96時間、京都大学の西部講堂を中心にみんなで大騒ぎし、大喪の礼の日には新宿区内で騒いで喚く東京クライデーを実行したそうだ。根性のある人だ。
小室等さん・ゆいさんの24分ほどのミニコンサートも含め、この動画サイトで視聴できる。また広島の念仏者九条の会事務局長のスピーチはユニークだった。このサイトの10月1日の記事で読むことができる。
真ん中やや左が落合恵子さん、その右へ小池晃(共産)、福島みずほ(社民)、志位和夫(共産)、あべともこ(立民)の各議員たち
この集会の8日前代々木公園で「安倍元首相国葬反対!改憲発議と大軍拡やめろ!「戦争法」強行から7年 福島原発事故を忘れない さようなら戦争 さようなら原発 9・19大集会」という長い名前の集会があり、1万3000人が集結した。この集会はもともと原発反対の集会だが、毎月19日の総がかり行動とも連携したものなので、「国葬反対、戦争法反対」、などもテーマにしていた。国葬反対に関するスピーチは28日の集会とほぼ同じだった。安倍・元政権糾弾に加え、「労働側代表」として国葬に参加する連合・芳野友子会長への非難も相次いだ。
東海第2原発運転差止訴訟原告団共同代表・大石光伸さんから国のGX実行会議における竹内純子・有識者委員からとんでもない提言が報告された。GX実行会議のGXはグリーントランスフォーメーションで、化石燃料中心の経済・社会・産業をクリーンエネルギー中心に移行させるため今年7月内閣官房に設置された。総理、官房長官、外務・財務・環境各大臣のほか、経団連、中部電力会長、商工会議所、三菱商事、さらに連合・芳野会長まで13人の「有識者」で構成される。竹内という人は福島原発事故後まで東電の社員で、その後NPOの研究員になった人だ。
わたくしがまったく知らないトンデモ提言だったので、大石さんの報告を紹介する。
竹内純子委員は、原子力政策について、原子力を取り巻く3つの不透明性があるから、国がイニシアチブを取ってこれを解消しろという提案をしている。
一つ目は原発を推進する国の責任者が不在だと、岸田に迫っている。具体的には、原子力基本法と規制法を改正して運転期間の制限を撤廃しろ、原子力政策大綱をもう一度策定して閣議決定しろ、損害賠償の無過失無限責任を負わされる事業者は資金調達が困難になっているのだから国の賠償責任を再定義しろと主張する。
これらは福島のみなさんが大変な思いをして10年かけて最高裁まで闘い続けてきた損害賠償、国賠訴訟、そして東電刑事訴訟、東電株主代表訴訟の闘いを否定する発言だ。
さらに彼女は電力会社が財政逼迫しているから経営破綻にそなえて、国が原発専業会社を買い上げろ、あるいは廃炉専業会社を創設せよという。
これらは東海第二をやっている日本原電を念頭に置いているとしか思えない。
ふたつ目に規制の不透明性を解消しろと岸田に迫っている。予見可能性のないことを規制対象にしている規制委員会に国が介入して効率性の原則を導入させてさっさと許可させるように政治のガバナンスを強化しろ、と岸田に訴えている。
さらに立地地域に、規制委員会の関与を強めさせて地元合意や地元の判断と言っているのを抑えさせろ、国が介入せよと。これがGX実行会議で元東電の社員が岸田に向かっていっている提案だ。
3つ目に司法判断の不透明性差止訴訟の頻発があるので、国が政治決断でなんとかしろと、こういうことをGX会議で迫っている。
「有識者会議」というのはこういうものなのか、こんな委員をわざわざ選んで「お墨付き」にしているのか、とあきれた。
この集会も、このサイトで動画を視聴できる。

☆有識者会議つながりで、もうひとつ。9月30日(金)16時から「大軍拡のための「有識者会議」は解散しろ!」という緊急抗議行動が官邸前近くで実行された(主催:島じまスタンディングSTOP大軍拡アクション 参加23人)
これは年末までに防衛3文書(国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」)を改訂するための「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」第1回がこの日17時から1時間弱で開催されるため、開催反対をアピールする行動である。
主催者の説明によると、政府は今年1月から政権の意に沿う52人の人物から17回にわたり秘密ヒアリングを重ねて結論ありきの有識者会議を開こうとしている。メンバーは、黒江哲郎・元防衛事務次官、佐々江賢一郎・元駐米大使など10人で構成する。上山隆大・総合科学技術・イノベーション会議議員は、軍事研究で稼げる大学に変える構想をもつ人物で要注意だそうだ。
「反撃能力」とも呼ぶ敵基地攻撃能力保有の公認、軍事費の5年での倍増武器輸出の促進、琉球弧(南西諸島)の戦場化を想定した自衛隊の増強などを年内に提言するのではないかと考えられる。
この大軍拡に反対しようというものだ。
また偶然だが、30日には西之表市議会が馬毛島小中学校跡地と隊員宿舎用の市有地売却を総額5900万円で防衛省への売却を賛成多数(賛成7、反対6)で可決、島に残る市道の廃止も可決した。
専守防衛を根本から転換する「国策」が「有識者会議」から提案されようとしている。ここ数カ月に2回は会議が開催されそうなので、今後も注視し反対していきたい。

●アンダーラインの語句にはリンクを貼ってあります。


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