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ひなたぼっこ 第二章

二匹の愛猫(でぶ猫のナナ、黒猫のココ)と50歳から始めたモトクロスがメインです。
2015.02.14ハッピー登場。

本日の感想文「アメリカ彦蔵」吉村 昭

2007-04-26 01:03:45 | 感想文
こっちゃん、爪研ぎの上で、なに悩んでるの?^^;
今晩のご飯は何かな~?と思って(=´∇`=)
悩むまでも無く、イベントでも無い限りいつもと一緒だよ(笑)


あらすじ

母が死に、船頭をする義父の船に乗る事になった、
13歳の彦太郎は播磨から江戸へ住吉丸で航海する。
帰路、同郷の者が多く乗る栄力丸に乗り換える。

ところがこの栄力丸が、熊野沖で台風に流され、
大平洋を漂流する事になってしまう。

約2ヶ月漂流して、アメリカへ帰るオークランド号に、
乗組員全員が救出される。

日本へ帰る事を切望しながら
サンフランシスコで日を過ごす内に
香港へ行く船に乗せてもらうことになる。

このころ彦太郎は彦蔵と呼ばれるようになった。

日本に行くペリーに送り届けてもらうはずなのだが、
ぺりーはなかなか香港に到着しない。

親切にされたアメリカと違い、
香港で彦蔵たちの面倒をみるのは軍艦で、
その扱いはあまり良く無い。

日本に帰る当てが無いのなら、
過ごしやすかったアメリカに戻りたいと、
彦蔵と2人の漂流民は、親しくなったアメリカ人と、
一旦アメリカに戻る事にする。

アメリカで暮らしていると、やはり日本に帰りたいと思う。
そうしている内に日本の鎖国政策は終わり、
日本へ行く船に乗れる事になるが、
それまで日本を出た人間は重罪人だった事を考慮して、
アメリカに帰化してアメリカ人として横浜に上陸する。

通訳をしながら暮らすも、
幕末の日本は攘夷浪士が暗躍して
外国人や外国に近い日本人は常に身の危険を感じていた。

そんな日本に嫌気がさして、
親切で情に篤いアメリカに戻る事にする。

しかしアメリカでは南北戦争が勃発しており、
人心も荒みやはり日本に住みたいと思い、
アメリカ政府の通訳として再び横浜に。

時代も明治になっていて、
約20年ぶりに郷里に行ってみたくなり、
外国人の友人と故郷をたずねると、
アメリカの生活に慣れた彦蔵には田舎の農村は、
とても人間の住む環境には思えず、
友人の手前、とても惨めな気持ちになり、
その後は家族の墓を建てる為に戻る以外に、
故郷を訪ねる事は無かった。


彦蔵の日記にちょっと言葉を足しただけで、
これで小説?って気もするけど、
当時の漂流民の運命に興味津々で、
飽きずに読めました。

この本を読んでいると、
塞翁が馬と言う言葉を思い出しますね。

常に「ここは嫌だ、あそこは良かった」
という感情が行動のきっかけになっています。
そして彦蔵は其の都度成功します。

当時の日本には世界情勢に明るく、
バイリンガルとゆう才能を持っている人材は大変貴重で、
もし彦蔵に確固たる志があったなら、
重要な歴史上の人物に成れたのに。。。

他人事ながらもったいないですね。

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