国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

イラク情勢を理由とする米国とイランの国交回復が近づいている?

2007年10月14日 | 中近東地域
1979年のイラン革命と米国大使館人質事件に伴う国交断絶から28年が経過した今、両国の国交回復が秒読み段階に入っている様に思われる。イラク情勢の悪化に加えて米国・トルコ関係の悪化で米国はイラクを安定させるために地域大国イランとの関係改善を必要としているからだ。米国大統領有力候補のクリントン上院議員が「前提条件なしで交渉に入る」と言明してイランに対する姿勢を改めたのはその一環とも考えられる。 私は、1979年のイラン革命も米国大使館人質事件も、米国内の反国際金融資本陣営による演出であり、両国は裏では親密な関係を維持していたと想像する。今年9月にもイラン大統領は国連会議出席を理由に訪米しコロンビア大学で講演しているのはその親密さの証拠だろう。その両国が表だって関係改善を行うことは、イランとシリアが北朝鮮製の核ミサイルで武装していると想像されることとあわせると、イスラエル滅亡が最終段階に突入していることを伺わせる。 現在中東で起きていることは、ベトナム戦争当時の東アジア情勢と類似している。共和党のニクソン大統領がベトナム戦争を激戦化させそれを収拾するという明目で対中関係復活に踏み切ったのと同様に、共和党のブッシュ大統領がイラク戦争を激戦化させそれを収拾するという明目で対イラン国交回復に踏み切ろうとしているように思われる。キッシンジャー元国務長官が最近活躍しているのも当時とよく似ている。 トルコはこの問題で、対米関係悪化により米国の対イラン関係改善を余儀なくさせると言う重要な脇役を演じている。この演出に対する何らかの見返りがトルコに存在する筈である。恐らく、将来トルコが分裂して誕生するであろう世俗主義の小国がEUに加盟を許されるか、あるいはEUに加盟できなくともEU並みの生活水準を享受できるとの確約が独仏連合とトルコの間で成立しているのではないか、と想像(妄想)する。 . . . 本文を読む
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