国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

クルド人問題・アルメニア人迫害問題・キプロス問題:トルコが抱える三つの時限爆弾

2007年10月21日 | トルコ系民族地域及びモンゴル
私は、トルコ外交に見られるこれらの強硬姿勢はトルコを破滅的大戦争に突入させ滅亡させることになると想像する。そして、自国を滅亡させることで北キプロスのトルコ系住民・イスラム原理主義的で所得の低いアナトリア高原のトルコ人・所得の低いトルコ東部のクルド人などの不良資産を一挙に切り捨てて、世俗主義的で所得の高いイスタンブール地区やイズミル地区に住む支配階層だけから成る小国を成立させることをトルコ政府は狙っており、その為にマスコミを通じて対外強硬論を国民に植え付けているのではないかと想像する。この事態は、事大主義的で集団の利益のために自己犠牲を払うという精神のない朝鮮人や、国際金融資本の支配に迎合するばかりの漢民族といった大東亜共栄圏の不良資産を敗戦によって一挙に切り捨てて日本人だけから成る国家を作るためにマスコミを通じて対米・対中強硬論を国民に植え付けた(と私は想像している)第二次大戦直前の日本とそっくりである。「強硬姿勢をとれば米国は譲歩する」と主張した当時の松岡外相と、「強硬姿勢をとればEUは譲歩する」というMehmet Ali Talat大統領の主張(北キプロスがトルコの傀儡国家であることを考えると、トルコの主張とも言える)はあまりに似通っている。また、イラク北部クルド人国家の存在を認めず、従って交渉相手としても認めないトルコ政府の姿勢は、1938年1月16日に「爾後国民政府ヲ対手トセズ」と宣言して日中戦争での交渉相手を失うことになった第1次近衛文麿内閣の再現である。そして、第二次大戦での日本の悲惨な敗北と、近未来のトルコが被る破滅的敗北もまた似通ったものになるだろうと私は想像する。日中戦争が英国から米国への世界覇権の移動時期に当たっていたのと同様に現在は米国からEUへの世界覇権の移動時期であることも類似点であろう。 . . . 本文を読む
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