国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

DNAの二重らせん構造を発見したワトソン博士の「黒人の知能は白人に劣る」という問題発言について考える

2007年10月20日 | 米国
恐らくワトソン博士の発言は米国、あるいは欧米の支配階層(白人)の人々の同意のもとに行われていると私は想像する。「アフリカの人々(黒人)の知能はわれわれと同じという前提で社会政策がつくられているが、すべての知能テストがそうではないことを示している」という発言は、「黒人の知能は白人より低いことを前提とした社会政策に転換せねばならない」という白人たちの決意表明であり、それは近未来の米国や欧州の政治に必ず反映されるはずだと私は想像する。それは欧州については黒人移民(場合によっては北アフリカからの移民も含まれるかもしれないが)の追放運動という形式を採ることだろう。ただ、奴隷としてアフリカから黒人をアメリカに大量に移住させてきた歴史のある米国の場合はそのような解決策は道義的に不可能である。米国の白人は今後も黒人と共存して行かねばならない。そして、黒人たちは奴隷制の歴史について白人を道義的に責め立て続けることだろう。米国の白人はそれにどう対処するつもりなのだろうか? 最近、国連総会で先住民の権利保護に関する決議案が採択された。先住民は民主的議会の決定に対する拒否権を有するという内容であり、米国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドのアングロサクソン系新大陸国家四カ国だけがその決議に反対票を投じた。私は、米国はこの「先住民の権利」を鍵にするつもりではないかと想像する。先住民を圧迫する移住民であるという点では米国の黒人は白人と同様の加害者の立場にある。米国は諸外国の批判に応じて渋々「先住民の権利」を認め、移住民全員が加害者であるという立場に立つことで、黒人が奴隷制の過去を根拠に被害者として振る舞うことに終止符を打つつもりなのではないか、と想像(妄想)する。黒人問題を解決するために白人が先住民に対してわざと負けるという一種の日本的戦略である。もしその様な戦略が採用されないとすれば、後は白人が警察力で黒人を封じ込めるか、あるいは米国の一角に南アフリカのバンツーランドの様な黒人国家を建設して米国中の黒人を全員そこに押し込めるという民族浄化政策といった強硬で非人道的な方法しか対応策はない様に思われる。果たして、米国の支配階層の人々は黒人に対するどのような社会政策を計画しているのだろうか? . . . 本文を読む
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