ソ連軍の参戦という日本の敗北確実な情勢で、溥儀が日本軍への支援を満州国閣僚らに命じたことが明らかにされている。危機において日本を助けてくれた満州族こそ日本の真の友人である。彼らはその報復として、文化大革命までの期間に大きな迫害を受けたと想像される。ソ連軍が侵入すると寝返って日本人に暴行略奪の限りを尽くした朝鮮人との違いは余りに大きい。我々は満州族の友情に報いねばならない。日本が上海に大規模な投資を行ったことで、満州では工場が競争に破れ大量の失業者が出ている。これは、満州から漢民族を流出させるための日本・満州族の共同作戦なのかもしれない。漢民族の満州への入植が解禁されたのは、ロシアの侵略で脅威が高まったのが原因だ。その対抗処置として満州族の故郷の喪失という大きな対価を払ってまで開始された漢族入植は、今や人口圧の脅威となってロシアを脅かしている。ロシアは自ら撒いた種により追いつめられている。哈斯額尓敦さんの論文によると、中国の少数民族優遇政策が開始されたのは文化大革命による民族文化の破壊などの過酷政策が取られた階級闘争期の終了と同時期である。毛沢東が死去し四人組が失脚した1976-1977年は、ソ連でスターリンが死去しカガノビッチとベリヤが失脚した1953年に相当するのだろう。中国の少数民族優遇政策は、①計画出産規制の緩和で第二子(農村では第三子)の出産を許可、②上級学校への進学時に漢族より有利(合格点数・宿舎費・奨学金)、③少数民族家庭に支給する一人っ子手当てが漢族家庭の2倍、などの点で優遇しつつ、上級学校を卒業した者が漢民族の支配する世界で生きてゆくことにより、漢民族への同化・融合を進めて少数民族を消滅させるという両方の性質を持っている。従って、この政策によって多くの少数民族は必ずしも利益を受けているとは言い切れない。しかし、既に独自の言語を失って久しい満州族は優遇措置の利益のみを享受できる立場にあると考えられる。「1980年代以降は政府の少数民族優遇政策から積極的に民族籍を満族に改めようとする動きがあって、満族の人口は10年あまりのうちに3.5倍以上に増加している」との情報も合わせると、実は1978年以降の少数民族優遇政策は文化大革命で迫害された満州族の反撃という性格を持っているのかもしれない。 . . . 本文を読む
以前から私が予想していた通り、米国とイラン・シリアとの対立は茶番劇の可能性が高いと思われる。 シリアを民主党のペロシ下院議長らが近く訪問するとされ、ブッシュ政権はこれを批判している。この動きは、今年1月に山崎拓元自民党副総裁が政府に批判されながら北朝鮮を訪問したこととよく似ている。日本と北朝鮮、米国とイラン+シリアは秘密同盟関係にあり、それを隠蔽するために壮大な対立劇が必要なのだ。 東欧地区へのミサイル防衛システム施設建設を巡る米国+東欧と独露連合の対立についても、米露間で協調の動きが見られる。冷戦が茶番劇であった様に、最近の東欧とロシアの対立(ウクライナの政争はその象徴)も茶番劇であり、実際には米・欧・露は非常に緊密な同盟関係にあると想像される。これらの茶番劇が隠蔽する真の対立、欧州の視点から見た真の脅威は何か? 歴史を紐解くと、欧州への脅威は常に遊牧民族世界から来た。最も最近の脅威は、1453年のオスマントルコによる東ローマ帝国滅亡とその後のバルカン半島侵略、ウィーン包囲だろう。他には、モンゴル帝国による東欧侵略、ウマイヤ朝によるスペイン侵略が挙げられる。最近のドイツのトルコのアルメニア人虐殺問題での強硬姿勢は恐らくオーストリアを中心とするカトリックドイツに主導されており、イスタンブールを含む欧州大陸からイスラム勢力を追放するという強い意志が感じられる。5世紀前にスペインからイスラム勢力が追放された事件がバルカン半島で繰り返されようとしているのだろう。その意味で、この五百年間の歴史の総決算という見方ができる。 トルコ系民族は中央アジアから移動してきた人々であり、アラブ人やペルシャ人と対立関係にある。トルコの脅威を封じ込めるには、強大なペルシャ民族国家、アラブ国家は有益である。また、ペルシャとアラブの対立、アラブの中でアラビア半島地域が主導権を握ることは北アフリカから欧州への脅威を縮小させる効果も期待できる。恐らく欧州の意図は第一にトルコ、第二に北アフリカのアラブ人の脅威の封じ込めであり、その為にイランとアラビア半島のアラブ国家(サウジやシリア)を強大化させることを狙っているのだろう。そして、米国はその作戦で戦争を実行するという悪役を実行する引き替えに何らかの見返りを約束されているのではないか。 そして、世界支配者はP5からG8へと移行するだろう。 . . . 本文を読む