計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

2023年12月の傾向(山形県)

2024年01月05日 | 山形県の局地気象
 先日の記事「2023年12月の傾向(新潟県)」と同様に、山形県における「2023年12月の平均気温と降雪量の推移」を25日まで調べてみました。

 概ね5日~17日頃までは平年より高温傾向で推移しました。その後、平年より低温傾向に転じると顕著な降雪となりました。4地点のグラフからは、17日頃を境に傾向が大きく変わっているのが見て取れます。





 
 過去の記事「2023年12月の傾向と背景」でも述べたように、12月前半は偏西風のリッジ位相が卓越したものの、後半はトラフ位相が進んできたことで寒気の南下が顕著に現れました。

 そこで、平年(1991~2020年)と昨年(2023年)12月の高層850hPa面における気温分布(秋田)を「箱ひげ図」の形で比較しました。箱ひげ図は4つ並んでいます。左から順に、平年の09時、21時、昨年の09時、21時です。この結果、昨年12月の気温は09時、21時共に「平年よりも高めの傾向」が見られた一方、その範囲は「平年の変動の範囲内」に収まっていました。



 続いて、850hPa面気温の平均値について統計学的検定を試みました。まずは、平年と昨年の各々について、09時と21時を一まとめにして「2標本(2群)検定」に持ち込みます。ここで、各標本(群)ともに標本の大きさは十分に大きいことから「大標本」と見做すことができます。

 従って、標準偏差σを標本標準偏差s(不偏分散の正の平方根)で代用した「z検定」を行いました。この結果、有意差(2023年>平年)が見られました。

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