さて、2022年の梅雨は短く「観測史上最早の梅雨明け」となりました。これに伴い、非常に厳しい暑さが続いておりましたが、今度は「梅雨の戻り」の様相を呈してきました。
ラニーニャ現象と負のIOD(インド洋ダイポール現象)の影響で熱帯の対流の位置がシフトしたのに加え、偏西風も大きく蛇行した結果、チベット高気圧やオホーツク海高気圧が顕著となっているように見受けられます。また、オホーツク海高気圧と南下した太平洋高気圧の間に現れる湿潤域と暖湿気流に伴い、雨が降りやすくなっているようです。
その背景について簡単な模式図を描いてみました。
(1)ラニーニャ現象の影響で、熱帯の対流の位置は西側(概ねフィリピン付近)にシフトします。
(2)負のIOD(インド洋ダイポール現象)の影響で、熱帯の対流は概ねフィリピン付近にシフトします。負のIODとは、熱帯付近の海面水温が(平年に比べて)「アフリカ側で低温、フィリピン側で高温」となる方向にシフトする現象です。
(3)活発な対流は上昇気流を形成します。これに伴い「下層では収束場、その上空では発散場」の流れを作り出します。また、北側に目を向けると、何やら偏西風の蛇行が大きくなっています。
(4)上空では発散場となるため、北側を流れる偏西風をさらに北側に押し上げます。この影響で「チベット高気圧」が顕著となります。
(5)偏西風がチベット付近で北に押し上げられた反動で、その東側では一旦南に下がり、日本付近で再び北上するように蛇行します。
(6)偏西風は日本付近で北上しますが、もともと蛇行が大きいので、「オホーツク海高気圧」が顕著になります。なお、日本付近の偏西風の蛇行には「台風4号から変わった低気圧」の渦も影響したと考えられます。
(7)「オホーツク海高気圧」が顕著となり、「太平洋高気圧」は南に押しやられます。そして、両者の間に「梅雨前線」改め「シン・梅雨前線」が現れる?
ラニーニャ現象と負のIOD(インド洋ダイポール現象)の影響で熱帯の対流の位置がシフトしたのに加え、偏西風も大きく蛇行した結果、チベット高気圧やオホーツク海高気圧が顕著となっているように見受けられます。また、オホーツク海高気圧と南下した太平洋高気圧の間に現れる湿潤域と暖湿気流に伴い、雨が降りやすくなっているようです。
その背景について簡単な模式図を描いてみました。
(1)ラニーニャ現象の影響で、熱帯の対流の位置は西側(概ねフィリピン付近)にシフトします。
(2)負のIOD(インド洋ダイポール現象)の影響で、熱帯の対流は概ねフィリピン付近にシフトします。負のIODとは、熱帯付近の海面水温が(平年に比べて)「アフリカ側で低温、フィリピン側で高温」となる方向にシフトする現象です。
(3)活発な対流は上昇気流を形成します。これに伴い「下層では収束場、その上空では発散場」の流れを作り出します。また、北側に目を向けると、何やら偏西風の蛇行が大きくなっています。
(4)上空では発散場となるため、北側を流れる偏西風をさらに北側に押し上げます。この影響で「チベット高気圧」が顕著となります。
(5)偏西風がチベット付近で北に押し上げられた反動で、その東側では一旦南に下がり、日本付近で再び北上するように蛇行します。
(6)偏西風は日本付近で北上しますが、もともと蛇行が大きいので、「オホーツク海高気圧」が顕著になります。なお、日本付近の偏西風の蛇行には「台風4号から変わった低気圧」の渦も影響したと考えられます。
(7)「オホーツク海高気圧」が顕著となり、「太平洋高気圧」は南に押しやられます。そして、両者の間に「梅雨前線」改め「シン・梅雨前線」が現れる?