◎ジェイド・タブレット-外典-11-3
◎世界樹-1
◎エッダの宇宙樹
世界樹のシンボルは世界中に見られる。有と無という事で言えば、世界樹は有の世界であって、無の世界ニルヴァーナではない。ただし世界樹の説明の中に、その位置が世界の根源や世界の中心だと示したり、泉などニルヴァーナを暗喩するものが置かれている場合もある。
つまり世界樹はどちらかと言えば、人が神仏に大逆転することを主眼として置かれているのである。
さて北欧神話エッダの宇宙樹イグドラシルは巨大なトネリコで、あらゆる樹木の間で最大最良のもので、世界の軸であり支柱である。
その枝は、全世界をことごとく蓋い、天に達している。三本の根は神々の世界アースガルズと、氷の巨人の世界ヨトゥンヘイムと、死者の世界ニヴルヘイムの3つの世界に伸びている。
各世界の根元には泉があり、死者の世界ニヴルヘイムの泉は、フェルゲルミルと呼ばれる。この泉は、大地を潤すすべての大河の源泉であり、大地を人間の住める場所にしている。地母神は死の世界に発する。
さらにフェルゲルミルの泉には有翼の巨大な蛇ニーズホッグが棲み、根をかじっている。有翼の巨大な蛇ニーズホッグは、言うまでもなく、クンダリーニである。
巨人と言えば唐突だが、滅亡したアトランティス人を指して巨人と呼んでいるのではないかと考えている。オーディンは巨人の泉ミーミルの水を飲んで智慧を得た。
時代が下って8世紀、サクソン人は、この地方の宇宙樹信仰のシンボルであった大木の幹でできた宇宙の柱イルミンスルを崇拝していたが、772年神聖ローマ帝国カール大帝がこれを破壊することでサクソン人との開戦となった。
(イルミンスル所在地:ヴェストファーレン州、オーバーマルスベルク)
これにより、ドイツも、世界の死の部分、闇の部分を覆い隠すアポロン的西欧文明優勢の世界に組み込まれていくことになった。