◎長時間サマディーにとどまる道具
ブーレ・ババのブーレは老いたという意味。アッサムの、90歳になろうとするブーレ・ババは、この肉体は長時間サマディーにとどまる道具にはならないとして、かねて若い肉体の出物を待っていた。
ある日彼は、明日50キロ離れたところで若い男が蛇にかまれて死に川に流されるのだが、それは良い死体だと語った。
その死体に乗り換えるためにその日20キロ離れた河畔に移動し、彼とスワミ・ラーマは野営したが、翌朝ブーレ・ババはいなくなっていた。
スワミ・ラーマはまもなくヒマラヤに帰ったのだが、ある日見知らぬ若い修行者が彼を訪ねてきて、スワミ・ラーマとブーレ・ババの肉体乗り換えに至るアッサムでの出来事を詳しく語り、最後に自分が肉体を乗り換えた時にスワミ・ラーマが一緒にいなかったのは残念だと語った。
ブーレ・ババは、このようにして肉体を乗り換えたことを実証してみせた。
人間から人間に転生する場合、肉体死から次の肉体に受胎出産というルートをとるならば、最低でも10か月かかるところを、ブーレ・ババは、第三者の臨死の肉体をもって、速やかにそれに乗った。
スワミ・ラーマは、この若い修行者には、ブーレ・ババの知識・記憶・性質・癖などほとんどがあったことを確認した。そして熟達した修行者はそれを望むならば、このように別の若い臨死ボディを得て乗り換えさえできると結論づけている。
これは、俗人にとっては、単に眉唾な話かもしれないが、「何のために生きるか」に真摯に取り組んできた人間にとっては、一つの選択肢として理解できる人もいると思う。