◎流行の癒しの構造
ケン・ウィルバーは、人間は、1身体⇒2心⇒3魂⇒4霊(スピリット)と進化する、とする。個は3魂まで、世界全体のアートマンは、4霊(スピリット)。
勿論、出来上がりは、二重のリアリティたる4霊(スピリット)。
SNSを見るとハタ・ヨーガやボディ・セラピー(武道、気功、ロルフィングなど)をやる人が非常に多い。人間は、幼児期には、1身体が意識そのものである時期にある。2心は2歳頃から出現しはじめどんどん発達していき、思春期になる頃には、自分の生き生きとした生命の躍動や感情の豊かさを失い、1身体と2心の分離に苦しむことになる。
青年になってハタ・ヨーガやボディ・セラピーを行うことで、
失われた1身体と再接触する。充分に1身体と再接触すれば、2心⇒3魂⇒4霊(スピリット)の順路で進み自分を超越することができる。
ところが漫然とただハタ・ヨーガやボディ・セラピーを行っている場合、失われた1身体と再接触して、抑圧され疎外され忘れられた幼児期の幸福な感じを得られはする(それも癒し)が、それだけでは自分が強固になるだけであり、4霊(スピリット)に届かず、結局「退行」となる。「退行」にいるままでは、自分を超えられず、真の世界平和はない。
2心⇒3魂⇒4霊(スピリット)の順路では、234の高次のレベルは、常に1肉体を包含し、抑圧せず包容する。
自分が世界全体、宇宙全体にならねば真の世界平和はないが、
自分が世界全体、宇宙全体になるというのは、社会では絵空事と思われている。だが、そこをしらふで取り組んで行かねば、世界は何も変わらない。
(参照:ワン・テイスト(下)/ケン・ウィルバー/コスモス・ライブラリーP58-67)