◎ジャータカ釈迦前生譚
ジャータカ釈迦前生譚は、釈迦の無数の前世のエピソードを描いた話。
釈迦がまだ無知だった前世において、さる悟った人間の噂を聞き、逢いに行って、話をすることができた。
釈迦が悟った人の足に触れ身を起こすと、なんと悟った人が釈迦の足に触れているではないか。
釈迦が悟った人に「なぜ、無知で悟っていない私の足に触れているのですか。」と問うと、
悟った人は、「あなたの内部に隠れている本質は、既に悟っているから、それに触れているのだ。」と。
後に釈迦は、「当時悟った人の言うことが理解できなかったが、今ならわかる。彼は、真の私に礼拝したのだ」。
(参照:ヴィギャンバイラブタントラ(9生の神秘)OSHO P233-234)
ジャータカは、大部なものであり、このジャータカ上の出所を捜し当てられなかった。私が小学生の時に近所の寺の住職が子供何人かを集めて、ジャータカから話をしてくれる機会があった。それはインドという亜熱帯のエキゾチックな国のことだったが、とても心惹かれる話だった。
これと類似のエピソードは、イエスが弟子の足を洗う話。
現代でも心ある悟った人なら、別れ際に未悟の人を礼拝して、どぎまぎさせることがあるのではないか。