アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

香厳が竹に瓦礫が当たった音で悟る

2022-11-22 08:48:12 | 丹田禅(冥想法8)neo
◎自分でなんとかするしかない

禅僧香厳は、山東省の出身、巨漢。博識であって、師匠の潙(サンズイに為)山(いさん)のしかける問答にはすらすらと答えた。ある日潙山が、「父母から生まれた直後の自分について、一言言ってみなさい。ちゃんと言えたらお前を印可してやろう。」と公案を与えた。

香厳が、何種類も回答したが、潙山はいずれも合格と認めなかったので、ブチ切れて「そんなに言うんだったら、正解を教えて下さい」と頼んだ。

すると潙山が、「他人から教えてもらったのではダメで、自分で見つけたものでないと。」

そこで潙山は僧堂に戻りあらゆる書物を調べてみたが回答となるようなことは書いていなかった。そこで蔵書を全部まとめて燃やそうとすると、同僚が「燃やすんだったら俺に呉れ」と言ってきた。ところが香厳は、「こんな役に立たないものを見て何になる」として、一気に焚書した。

香厳は、今生では仏法を学ぶまい、今後は一介の乞食坊主になって一生を放浪するのだと心に決めて、涙ながらに師匠の潙山に別れを告げ、門を出た。

途中に慧忠国師の遺跡があり、休息がてら掃除をして憂さ晴らしをしていた。するとそこでたまたま投げた瓦礫が竹に当たり、コーンと高い音を出し、思わず笑って、それにより大悟した。

目的と坐法(ポスチャー)はあるが、どうすれば目的たる大悟に至るかは、自分でなんとかするしかない。先人の前例は貴重である。
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