◎最後の奇蹟は最初の奇蹟より大きい
(2020-06-01)
ユダヤ教ハシディズムから。
『天と地との創造は、無から有を展開させることであり、上なるものが下なるものの中に降りることである。
しかし、存在界から身を離して、つねに神に着く聖者たちは、真剣に神を眺め、捉えるのである――彼らは有を変容させて無のなかに返すのだ。
そしてより不可思議なことはこれである、無すなわち下なるものを上へと高めることである。「最後の奇蹟は最初の奇蹟より大きい」とゲマラに書いてあるように。』
(忘我の告白 叢書・ウニベルシタス マルティン・ブ-バ-/編 田口 義弘/訳 法政大学出版局P254-255から引用)
※ゲマラはタルムードの中の一部。
この文では、無は最初の方では上だと言い、最後の方では下だと言うので落ちつかない。
『上なるものが下なるものの中に降りる』は、トリスメギストスの『下なるものは上なるものの如く、上なるものは下なるものの如く』に似る。
最初の奇蹟は天地創造であって、第七身体の無から第六身体の有に之(ゆ)くこと。これに対して、下のものなる第六身体の有から第七身体の無に之くことは、その前段として、個なる人間を飛び出るということ。個なる人間から見れば、有も無も全体なので、そこで視点の逆転のみならず、存在そのものの一変が起こる。
タロットでは吊るされた男であり、北欧神話のオーディンは木から9日吊るされた。
その人間的視点において、無が下であり、有が上だと言うのだろう。
今まさに過去最大の奇蹟が起きようとしている時代である。