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竹槍事件に海保映像流出事件を見る

2011-02-09 | 日本のこと

まさかこの画像を再び使う日がこようとは思っていませんでしたが、初めてレイヤー機能を使って画像を重ねて作った苦心作なので、リサイクルできてその点だけは嬉しいです。

さて、まるで竹槍事件ブログかというくらい経過を何回にも分けて語ってきたわけですが、この件について調べるにつけ、例の中国船船長釈放後の映像流出事件との怖ろしいくらいの共通点があるのに気付きました。




この幾星霜を経て起こった二つの事件に共通するアウトラインをサクッと述べると

為政者によって国民に知らされなかった情報を一個人がある方法で暴露した

為政者はそれを隠すことによって国民をある方向に導こうとしていた

情報を暴露した個人を、為政者は主に感情的な理由で処罰しようとした




いかがでしょうか。
一つづつ検証していきましょう。

まず「為政者」にあたるのが陸軍政府=民主党政府。
個人的には東条英機が仙谷由人に相当します。

当時の東条英機が首相、陸将、軍需相、参謀総長を兼任し、
耳の痛いことを進言する部下を更迭するなどの独裁体制を敷きつつあったように、
官房長官でありながら総理に聞かれたことも勝手に答弁し、国会質疑の全てを牛耳ろうとし
「わたしが一番答弁がこなれている」
と自画自賛のすえ法相を兼務した仙谷官房長官(当時)は、裏の首相とも言われていましたから、
いわば三つの職務を兼務していたわけです。

さて、告発者は毎日新聞記者=海保職員。
どちらもが政府の隠したがる事実についての情報を知る立場にいた者たちです。

そのどちらもが
「国民にはそれを知る権利がある」
という義憤から行動を起こしています。

そして両政府が国民から隠したかったことは
方や日本の敗戦と飛行機が足りなくなっていたこと、
方や中国に密約で隠蔽を強要された逮捕時の日本の正当性


この部分は実に興味深いのですが、
方や軍国政府であり
方や左翼政権である
という事実故、隠したかったこととその理由は

陸軍「日本の劣勢」 「戦いを最後まで貫徹するため」
民主「日本の正当性」「相手国に主に経済的理由から譲歩するため」


となり、全くベクトルを逆にするものです。



政治の中枢にいるものがなぜこのように国民の総意と異なる方向へと国体を煽動していこうとするのか、
所詮浅学非才の身には、それが権力を取り巻く魑魅魍魎の所業の故か、
あるいは彼らの信ずる何らかの理想の生み出したドグマゆえか解析することはできないのですが、
一つ明らかなことは、「権力」というものはそれを行使するもの全てをして、
おそらく恍惚とせしめるに足る魔力があるのです。

そしてそれを脅かされた両者は、毎日記者、そして海保職員に個人的な処罰を与えようとしました。


「法に従って厳正に」
と言いつつ中国人船長を証拠不十分のまま永久に釈放してしまった仙谷由人は、当初海保職員に対し
「起訴を含む厳重な処罰を」要求しました。
三権分立が裸足で泣いて逃げ出すとんでもない越権行為です。

陸軍は新名記者一人に懲罰召集をかけ前線に送ろうとしました。
その際、海軍からの追及に辻褄を合わすため同じような兵役免除者ばかりを250名招集したことは、
この一週間何度も語ってきました。

東条英機が毎日新聞を振りまわして
「馬鹿者がっ」
と言ったように、仙谷由人もまたsengoku38という海保職員のハンドルネームに対し激昂したと伝えられます。


告発者たちにとっては、その昔は海軍が、そして現代は野党が味方になりました。
自民の弁護士出身議員は
「起訴されたら何ならわたしが弁護する」
と名乗りをあげたそうです。

民主党に対する野党がそうであるように、陸軍に対する海軍も、
拮抗する勢力として「敵の敵は味方」という図式で告発者を守ったのですが、両者の大きな違いは

「海保職員には国民が味方した」

ということでしょう。
これは、インターネットの発達で政府が隠蔽しても真実は隠せなかったという時代の違いによるものです。
当然の帰結として、民主政府はインターネットの規制を含む情報統制を検討しているようです。


かつて天下りの実態を証言した官僚に対し、仙谷由人は
「こんな発言をするとは将来のある方なので惜しまれる」
といい、国会の場で告発者の恫喝をしました。
たまたまエリス中尉はそれをリアルタイムで見ていましたが、
その言葉に覗えるこの団塊左翼の権力者の陰湿さ、権力を恣意的に悪用する傲岸さに唖然とする思いでした。

その官僚は仙谷由人のその言葉を聞いた瞬間
背筋が凍りついた
と述解したそうです。


左翼政権である民主党が旗印としてあげるのは軍事的なものの殲滅であり、国体の破壊であり、
あるいは東アジア共同体というわけのわからないユートピアであり・・・・・
それは端的に言って東条内閣のような軍閥の率いた国の理念とは対極にあるものだったはずです。

しかし、どうでしょうか。


いずれの場合も、真実を隠して国民を扇動したかったのは
「戦争を続けていく国民の総意」であり
「屈辱に耐えて得られる妥協的平和」という、為政者によっては都合のいいごまかしだったわけです。
これが、最終的な解決ではなく、どちらもがあくまでも「その場しのぎ」であることにご注目ください。

そして、結局得た結果は
「無条件降伏の敗戦」であり、
「嵩に来た相手の不当なさらなる恫喝」だったわけです。
後者は、今のところそのような「経過」であるというのだけが救いで、これが今後
「領土を奪われ国体は属国化する」という結末でないことを祈るしかありません。


思想信条を真逆にするはずのこの二つの政権で、奇しくも同じ事件が起きたことによって、
その予想される行く末にまるで「背筋が凍りつく」思いをしているのはわたしでけでしょうか。

第二次内閣組閣でいくら看板を掛け替えても彼らの目指す目的は映像事件の頃からなにも変わってはいません。
外国人参政権を通すことをマニフェストから外し、「公約は守る」と民団には説明、
そして農業国でもある日本の個人農家壊滅を意味するの売国TPPを強行しようとしている民主政権。

日本という国の国体をぐちゃぐちゃにしてしまうための見えない大きな力がじわじわ働いているのではないか、
と思えることのひとつは、昨今、相撲、歌舞伎、そういった日本の伝統に最近「ケチがついている」こと。

これ、偶然だといいんですが・・・。