ゴボウの調理の一つに「金平(きんぴら)ゴボウ」があります。美味しいですよね。
今日は「金平(きんぴら)ゴボウ」と「金平(きんぴら)」の由来について調べました。
「金平(きんぴら)」の由来
「金平(きんぴら)」は、江戸時代に人気があった『金平浄瑠璃(きんぴらじょうるり)』の登場人物、坂田金平(さかたのきんぴら)にあると言われています。
この坂田金平は、足柄山の金太郎と言う幼名で知られる坂田金時の息子です。
坂田金平(さかたのきんぴら)は、浄瑠璃の中では世にも稀な怪力の持ち主で、金平(きんぴら)に勝てる者はおりませんでした。
そのことから、当時では”金平(きんぴら)”は強いものの例えとして使われていたようです。
*「金平浄瑠璃(きんぴらじょうるり)」とは、「金平節(きんぴらぶし)」の別称で、古浄瑠璃の流派の一つです。
1658年~1673年(万治・寛文)の頃、薩摩浄雲の弟子の江戸和泉太夫が創始したもので、多くは金平の武勇談を題材とし、荒々しく豪壮な曲風で人気を得、
江戸歌舞伎の荒事芸にも影響を与えたと言われています。
「きんぴらゴボウ」の語源
さて、「きんぴらゴボウ」とは、ご存知のように、ささがき、または千切りにしたゴボウを油で炒め、砂糖、醤油、酒などで調味して煮詰め、仕上げに唐辛子で辛味を効かせた炒め煮のことをいいます。
ゴボウは地中に深く入っていて、地の底まで固く不動であると言う丈夫で強いイメージがあります。
そして、唐辛子の強い辛さが先程の坂田金平(さかたのきんぴら)の強さに通じることから、ピリッと辛いゴボウのことが「きんぴらゴボウ」と名付けられたようです。
この金平(きんぴら)ゴボウは、強さや丈夫さを願うことから、最近では、おせち料理で作る家庭もあると言われています。
また、今ではゴボウだけでなく、レンコン、人参、ウド、しらたき、たけのこの姫皮など、砂糖、醤油などで味付けして煮詰め、仕上げに唐辛子を振り混ぜたものを金平(きんぴら)と呼んでいることから、さまざまな金平が作られているそうです。
なお、「金平(きんぴら)」のつく言葉に、「金平足袋」や「金平糊」などがありますが、それらはいずれも強さを表していることからつけられたといわれています。