らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

かなとこ雲

2021-09-07 | 地元紹介

NHKが午後6時10分から放送する関西地域のニュースに ”ニュースホット関西”があります。
このニュースは7時まで放送されるのですが、7時前の5分間は天気予報のコーナーになっています。
8月30日のこのコーナーで、視聴者から珍しい雲が大阪市内に出現したとの投稿があり、この雲について解説していました。
その雲の画像はないのですが、ネットで調べたところ下の画像のような形をしていたように思います。
放送では気象予報士の方が、この雲は「かなとこ雲」という珍しい雲であることと説明し、その発生原理などを併せて解説していたので、この雲について調べてみました。

「視聴者投稿の雲」
視聴者が投稿した雲によく似たのが下の画像で、このような雲の発生は、積乱雲が発達して、空に平たく広がってできるということです。
この雲の下では急な激しい雨や雷雨に見舞われる可能性があるので、天気の急な変化に注意が必要だということでした。

・放送時の画像がないのですが、このような形の雲でした。(ネットより)


「かなとこ(鉄床)」
「かなとこ雲」の「鉄床(かなとこ)」とは、鍛造や板金で、加工しようとする加熱した金属を乗せる鋳鉄製または鋳鋼製の作業台のことです。
その歴史は古く、青銅器時代には既に金属加工に使用されていたようです。

・これが鉄床(かなとこ)です。


「かなとこ(鉄床)雲」
観天望気(気象伝承または天気占い)には「かなとこ雲が立つときは暴風がくる」といった言い伝えがあります。
一般的に、積乱雲が「かなとこ雲」になるのは、雲の発達力が強く続いていることを示しています。
ただ、「かなとこ雲」の頭部が、横に広がるのがあまりに巨大化した場合は、そこから上昇気流が下降気流に転じて積乱雲の本体が弱まることもあるということです。

・珍しい「かなとこ雲」です(ネットより)


「かなとこ雲の発生原理」
「かなとこ雲」は、発達した積乱雲の衰弱期に見られる雲で、積乱雲の頭部が「かなとこ(鉄床)」のような形をしているためこのように呼ばれています。
積乱雲の雲頂は発達して圏界面(成層圏との境界)付近まで達しており,この付近の強い風のため頂上付近の雲が水平に流されて「かなとこ型」になります。

「積乱雲が成層圏に行かない理由」
では何故、積乱雲は対流圏止まりで、その上の成層圏に行けないのでしょうか?
その理由は温度差です。
対流圏の気温は圏界面付近で最も低くなりますが、それより上の成層圏では徐々に温度が上がっていきます。
冷たい空気は暖かい空気よりも相対的に重いので対流圏と成層圏の境目である圏界面よりも上に行くことが出来ません。
このため積乱雲は成層圏に入れないのです。

「成層圏が温度が高い理由」
大気は通常、高度が高くなるほど温度が下がりますが、対流圏より上の成層圏の温度が高いのは、成層圏にオゾン層があるためです。
オゾン層は太陽光の紫外線を吸収して発熱するため温度が高くなるのです。

今日はあまり関心が湧かない自然科学の内容になりましたが、しかし、滅多に見られない珍しい「かなとこ雲」には、できれば一度お目にかかりたいものです。