らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

「手を拱く」の読みと意味

2023-05-06 | 雑学

「拱く」この字を何と読みますか?
ネットを見ていたところ、「手を拱く」の読み方として、毎日新聞のネット記事に次のような結果が載っていました。
 ・手をこまぬく  10.2%
 ・手をこまねく  81.9%
 ・いずれも使う   4%
 ・いずれも使わない 3.8%

実は、「拱く」は「こまぬく」と読みます。
「拱(こまぬ)く」という言葉は【腕を組むこと】という意味で、もともと、中国で意を表す挨拶として、手を胸の前で組み合わせることに由来しています。
「腕を組む」と何もできなくなり、そこから【何もせずに傍観する】という意味でも使われるようになりました。

この言葉を使った慣用句に「手を拱く」があります。
この慣用句の意味について文化庁の国語に関する世論調査がありました。

「世論調査結果」
平成20年度の「国語に関する世論調査」で、「手をこまねいて待っていた。」という例文を挙げてその意味を尋ねたところ、結果は次のとおりです。(下線を付したものが本来の意味。)

〔全 体〕
 例文:手をこまねいて待っていた。

(ア) 何もせずに傍観している・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40.1%(本来の意味)
(イ) 準備して待ち構える・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45.6%
(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.9%
(ア),(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0%
分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9.4%




〔年代別グラフ〕

「手をこまねく」

「調査結果評」
全体では,本来の使い方ではない(イ)の「準備して待ち構える」と回答した人の割合が45.6%となっており,本来の使い方である(ア)の「何もせずに傍観している」と回答した人の割合(40.1%)を上回っています。
 これを年代別に見ると,40代から上の年代では,(ア)と(イ)の割合が接近していますが,30代以下の年代では,本来の意味ではない(イ)の割合が高く,(ア)との間に10ポイント以上の差がついています。
特に16~19歳では,40ポイント以上の開きがあります。

「誤解の理由」
「準備して待ち構える」という意味で使われることが多くなっている理由としては,「こまぬく」が音変化によって「こまねく」と使われるようになり,「まねく」の部分が「招く」と同じ音になることから,「手招きする」というようなイメージで捉えられてしまうためといったことが考えられる、ということです。

「手をこまねく」とは,本来「手を胸の前で組んでいること」,転じて,「何もせずに傍観している。」という意味です。
広辞苑でも「拱く」は、左右の手を胸の前で組み合わせる。腕を組む。転じて,何もしないで見ている。傍観する。
と説明して言います。

なお、「こまぬく」を「こまねく」と発音していることについては、辞書では「こまねく」は「こまぬく」が変化した語とされており、最近では若い人を中心に使う人が増えてきているという事です。

「拱く」は「こまぬく」が正しい読み方で、その意味は「何もせずに傍観する」ことです。
誤解をしないよう、気を付けたいですね。