2018年のブログです
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東直己さんの『名もなき旅』(2008・ハルキ文庫)を再読しました。
もう10年ぶりになるんですね。
文庫本ではたぶん2回目だと思うのですが、『スタンレーの犬』(2005・角川春樹事務所)という単行本の時にも読んでいるので、3回目でしょうか。
年を取ったせいか、今回が一番おもしろく、しかし、もの哀しさを感じながら読んだような気がします。
東直己さんは北海道の人ならおそらくは知っているであろう、どさんこの小説家。
北海道外の人も、大泉洋さんの映画「探偵はバーにいる」シリーズの原作者といえば、わかるかもしれません。
『探偵はバーにいる』(1995・ハヤカワ文庫)を始めとする東さんの小説は、映画で想像するよりは、実直で、深みのある物語が特徴です。
かなりの数の小説が出ていますが、どれもがなかなか読み応えがあります。
じーじは一時期、かなり熱心に読んでいた時期があり、一度、なんとお手紙を書いてしまったことがあります。
しかし、こんなじーじのしょうもない手紙にも、ていねいなお返事をいただいて、恐縮をした記憶があります。
どさんこは礼儀正しい人が多いのでしょうね(?)。
さて、本書、父母と早くに死に別れた19歳の男子のお話。
ようやく見つけた信頼できる中年男性に頼まれて、58歳の女社長を1週間行方不明状態にして失墜させるという穏やかでない仕事を引き受けます。
そして、その中で、いろいろなできごとに出合い、いろいろな物語が生じるというもの。
あらすじだけだと、そのよさはわかりにくいのですが、東さんは軽妙ですが、ていねいな文章を書かれますので、物語のよさだけではなく、文章のよさも楽しめるのではないかと思います。
なによりも読後感がすがすがしいのがいいと思います。
しばらく、また、東ワールドにはまりそうな予感がしています。 (2018.7 記)
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2020年冬の追記です
本棚を眺めていたら単行本の『スタンレーの犬』が目に入り、読んでしまいました。
あいかわらず少し不思議な小説ですが、面白かったです。
人生の哀しみと信ずることの大切さ、そして生きることの味わい深さなどを感じることができると思います。 (2020.1 記)
東直己さんの「ススキノ探偵シリーズ」は、全部読みました。映画「探偵はバーにいる」も見て、ロケ地の一部も回りました。もともと、札幌の街が好きで、年に2回程度はいっているのですが、今シーズンはコロナで我慢しています。
貴ブログを拝見し、東さんの他の小説も読んでみたいと思っています。
どさんこ顔負けで、じーじも真っ青(?)です。
他にも、ブログでご紹介できないでいる素敵な小説もいっぱいですので、楽しんでくださいね。