北海道の建築家グループの中でも
もっとも建築環境性能に向き合い続けてきている
北海道建築工房の小室雅伸さん。
いつも切れ味鋭く、わかりやすく環境性能デザインを語ってくれますが、
やはり建築の性能は、体感するしかない、という思いから、
この秋に完成し、来年4月の共用開始まで時間がある
氏設計の保育園施設建物を使って、
「身体感覚で学ぶ建築環境性能セミナー」を計画されています。
2020年には省エネ基準が「義務化」されることが決定し、
先頃からの基準策定の会議の結果も出てきました。
その内容を見てみると、かなりきめ細かな内容にわたっている。
いくつか、言葉や用語の変換もあったのですが、
これまで「断熱・気密化」というような表現が一般的に語られたテーマは
「外皮性能」というような言葉に統一されていくと思われます。
住宅性能を考えていく大きなテーマ領域は3つで、
1 自然エネルギーをどう活用するのか
2 建築外皮性能
3 住宅設備機器の選択手法
というように規定されていく流れになっています。
南北に長い日本列島における住宅性能の考え方、
それぞれ地域で違いがあるので、この大きな3指標を
指し示し、それぞれの高度化が不可欠だという方向なのですね。
これは自然な流れだと思います。
そういうなかで、外皮性能はきわめて重要なポイントになるけれど、
設備などのようには、違いの把握は明瞭には行かない。
そうした思いから、むしろ温暖地域の住宅関係者に対して
北海道の11月初旬という、東京の真冬に相当する外気温時期に
無暖房の状態で、断熱だけでどのように性能を体感できるのか
1泊2日で、みんなで体験して、
語り合おうというイベントを提案したのです。
主催はJIA北海道支部建築技術デザイン委員会
主な発表者として
北海道建築工房・小室雅伸氏
札幌市立大学・斉藤雅也准教授
東京都市大学・宿谷昌則教授
などが予定され、また参加者として、
先般の「省エネ基準改定」作業にも深く関与された
東京大学工学部・前 真之准教授も、
ゼミの生徒さんも引き連れて参加されるということです。
非常に興味深い探求が行われるものと思われますので、
情報としてお知らせする次第です。
参加申込みは、komuro@hokkobo.comまでご連絡ください。
ぜひふるっての参加をオススメいたします。
以下、セミナーの概要を画像として掲載します。