三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【大地をアートする農。夏休みの匂い】

2016年08月06日 05時55分31秒 | Weblog
気がつけば8月。お盆前の慌ただしさであります。
年々季節の巡り方が異常に早まってきている気がする昨今。
札幌にいてもたとえば都知事選挙などで、インターネット時代には
そういった地域間であまり距離感を感じません。
札幌は北海道という広大な地域に
真空地帯のように移植された人口集中地域なのだといつも思う。
それでもたまに、ちょっと足を伸ばして遠出することがある。
そうすると開拓時代からめざしてきた北米的な農業景観が
あちこちに広がっていてくれる。

最近、景観の中でも農的な人為がもたらすものが
注目されてきているように感じています。
写真は倶知安の北部地帯で撮影したもので、
小麦の畑のようですが、考えてみると農業生産って、
生産物がひとの口に入っていのちを育んでくれると同時に
こういった大地に色づけしたアートキャンパスを見せてくれる。
いま農業は6次産業化などといわれていますが、
たしかにこういう景観コントロールをしているという意味では
大変大きな「価値創造」をしているとあらためて強く思います。
どんなアート作品にもできないような感動的光景を
巧まずしてひとに感受させてくれる。
なにげないこういう光景を見ていると
ある回生にも似たような、そんな心象が広がってくる瞬間がある。
やっぱり人類が人類らしくある、いちばん大きな要素は
このような景観を支配する活動を創造したことだと思う。

そして現代生活でも
お盆休暇など、こういう自然の営み・リズムと回生するのがいかにも似合う、
そういう制度的仕組みを人間は作り出してきている。
人類的な営為を見ることで、なにかしら、こころが安らぐモノを感じる。
「夏休み」の匂いが漂ってくるような気分でおりました。
コメント
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