三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

新住協札幌支部、再起動

2015年09月29日 05時42分59秒 | Weblog


きのうは、ある突発事案が進行しながら、
新住協札幌支部の再発足の会合に出席しておりました。
新住協は北海道がスタートの地域で出来上がった組織ですが
いま、会員企業数は全国で700社、北海道は143社というのが現状。
会としての求心力を持っている鎌田紀彦先生の室蘭工大退官、
それにともなっての仙台への移転などもあって、
むしろ東北地区や、関東以西の地域の比重が高まっていて
会員数の点から見たら、北海道は中心ではなくなってきている。
ことしの新住協総会では、締めのあいさつで武部札幌支部長が
「北海道がんばろう」とあいさつしていましたが、
そういうのが現状であることは事実と言えます。

そのような現状認識に踏まえて、
会員間でほとんど機能停止に陥っていた札幌支部を再建し、
ふたたび運動を再開していくのに、
どういった方向性を目指していくべきなのか、
わたし自身も賛助会員として参加した次第です。
ことしの新住協総会では、最後の研究発表で
岩手・北上の会員である木の香の家、白鳥さんが発表した
ドイツパッシブハウス基準適合の家が、いかに寒冷地では達成困難であるか
その詳細な内容が語られていました。
そしてそのことをわたしもこのブログで報告したのですが、
多くの札幌支部会員からも、同様の意見が述べられていました。
常識的な住宅建材を使った家づくりで考えていくと
ドイツパッシブハウス基準は、日本で当てはめるとすれば、
東北南部地域がギリギリ達成可能な基準内容であって、
それ以北で、達成しようと考えればほとんど凹凸のない、
およそ住宅デザインとは言えないような住宅にならざるを得ない。
そもそも日本全体でも10棟程度しか建っていないドイツパッシブハウス基準を
住宅性能のリトマス試験紙としての最上位概念と考えるような傾向は、
ここまでの推移を見ても無理があるのではないかという意見。
もちろん、方向性としては否定するような内容ではないけれど、
北海道のような寒冷地では、むしろ現実離れしている。
そういったなかで、北海道の家づくりはどういうベクトルと価値感を
再構築していくべきなのか、という問題意識の共有が得られた次第です。

北海道、札幌に基盤を置いて住宅関連の仕事をしている
わたし自身にとっても、このポイントは高い問題意識の所在。
わたしどもとしては、あくまでユーザー目線での立場での把握なので、
この地で、ひとが楽しくシアワセな暮らしを営んでいく基盤として
最大の人生時間消費の場である住宅が、
ユーザーにとって、魅力的な、いいものになって欲しい。
基本的な価値判断基準はそこにしかないと思っています。
そういう立場で、先端的なものづくりの専門家のみなさんと
問題意識を共有して、解決の道筋をともに考えていきたいと思います。

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