三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

黒柿の床柱

2007年11月12日 06時05分19秒 | Weblog
土曜日から出張に出ていまして、
きのうは宮城県石巻市で取材でした。
で、見させていただいたのが、すばらしい和風デザインのお宅。
性能面でもFF式ストーブ2台を半地下的に設置しての全館暖房で
家中、たいへんやわらかな品質の暖かさが実現しているお宅。
土間床にして、そこをピットにして蓄熱層として活かし、
そこから上昇気流を2階も含めて暖かさで包み込んでいます。

そういう高断熱高気密でありながら、
真骨頂は、むしろ、伝統的和風デザインの世界。
設計施工の今野工務店さん、社長の人柄がにじんでいる空間です。
先代からの付き合いというみごとな建具工事もすごいなぁと感心させられます。
そんななかでもひときわ目を見張らせられたのが、
この「黒柿の床柱」。
これは輸入材ということですが、
柿の木で中が黒いのだそうで、って、見たまんまですけど(汗)、
銘木という次第です。
最近は北海道では、ほとんどこういう和風の家って
見ることが出来ない。
こういう素材が、ほかの空間感覚の中に収まっていて、
徐々に醸し出されていく和の質感、のようなものが
訪れるものに、上質なもてなしの世界を演出しています。
にこやかで柔らかい笑顔の社長さんですが、
こういう空間を作ることに、きっと強い意志を持っているのだと思います。

こういういわば、「作ることへの思い」のようなものって、
その家族にも伝わっていくようで、
娘さんはステンドグラスの作品を作り続けているのだそうで、
これもみごとなものでした。
そのうえ、お孫さんの男の子、
取材中に仲良くさせていただいたのですが、
途中、自分の部屋にこもってなにやら作業に没頭。
で、なんと、帰り際には
小石に虹のような彩色を施したものをお土産にしていただきました。

7085.jpg

ひとしきり、かわいいプレゼントに感動させていただいた次第。
帰ったら、わたしのデスク周りに飾っておきたいと思っています。
ありがとうね。

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