三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【クルマは第2の「家の中」安心環境なのかも】

2020年03月29日 06時25分05秒 | Weblog
わたしは住宅の雑誌を発行しています。
当然、寝る時間、食べる時間、家族と過ごす時間の大部分が領域に含まれる。
家族それぞれこの住空間を利用する時間には違いがある。
子どもさんにとっては、学校などパブリックで過ごす時間との比較では
80%以上くらいの時間比率になるでしょうし、
仕事を持っている両親たちでも、寝る時間も含めれば60%くらいの
「時間占有率」なのではないかと推測できます。
家とクルマは、よく大手住宅メーカー宣伝では外観のワンセットで、
なぜか輸入車との取り合わせが多い。
無意識への「刷り込み」でランクアップ感、ステータス感の訴求意図でしょう。
「車種選択」でもたとえばランドクルーザーとか、
ライフスタイルのメッセージになる要素も、住宅外観に含まれる。
車庫ナシ駐車の場合にはこういった家族個性「表現」でもあるのでしょう。

さて今回の新型コロナウィルス禍、猛威が世界を揺るがしている。
きのうも首相会見で「瀬戸際」状況が語られて
外出を抑制して、密閉・密集・密接を避けるように注意要請が繰り返された。
カンタンに言えば、なるべく「家にいてください」ということ。
で、そんな暮らしようが一定時間になってくるとよくわからなくなってくるのが
「クルマに乗って移動している時間」という「中間領域」。
住宅建築的には「縁側や庭」などの空間が「中間領域」と言われるのですが、
どうもそれは歴史的感覚で、現代ではクルマこそが「中間領域」的。
家族同士ではたしかに家の中以上には「密閉・密集・密接」ではあるけれど、
外界に対しては家の中の延長とも感じられる。
他者との「密閉・密集・密接」はあり得ないし、クルマから降りての
外部接触も十分にコントロールできる。家の中とそう変わらない。
統計発表などはまだ発信されていないけれど、
今回のコロナ危機で、クルマ利用率は増えているように感じられる。
とくに中心市街以外の週末の道路混雑は増えているように思います。
公共交通機関は「密閉・密集・密接」と無縁ではあり得ないけれど、
クルマはその意味では「安心環境」ということができる。

非接触型の人間の行動様式が今後広がって、
現代的な個の世界観が、クルマ移動も含めたものに変化していくのかも。
コロナ終息後の「住」マーケティング、変化が避けられない。

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