三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【北海道は地形の「カタチ」が美しい?】

2019年09月01日 11時09分37秒 | Weblog
って、北海道外の方から言われました。う〜む・・・。
そうなんだろうか、言われるまでまったく考えたこともなかった(笑)。
郷土愛的には褒めていただいてすごくうれしいけれど、
ホント、考えたことがなかったので面食らう。
で、そんなことがホントに一般的に言われているのか、知りたいと
WEBでググってみたら、
北海道の形が美しいから日本が美しい!その形のバランスの良さが際立つ!
というページがトップで表示されました。
「その形のバランスの良さが際立つ!見た瞬間その良さが分かります。
それが北海道の形にある!」
「北海道の地図を見れば見るほど、魅力に満ちた素晴らしい形をしています。
形のバランスの良さが—–抜群に美しい」
と感嘆してくれております。
著者は1981年に日本の建築家名鑑/新建築社から日本の建築家500人に選ばれた
堀江武之さんという方です。横浜で設計事務所をされているようです。
「最も形が好きな都道府県ランキング」というのがあるそうで、
第1位 北海道 138人(40.3%)
第2位 千葉県  22人(6.4%)
第3位 東京都  21人(6.1%)
第4位 愛知県  16人(4.7%)
第5位 新潟県  12人(3.5%)
っていうように話題を展開されていました。
建築の設計を業としている方であれば、
いわゆる「カタチ」についていろいろな思惟を巡らす仕事でしょう。
理解はできますがさて、この論拠になっていたランキングですが、
北海道と他県を「比較する」のはどうなんでしょうか?
北海道はひとつの島がそのまま県境になっているので、
いわば神さまの作りたもうた造形であるのに対して、
各都府県は人為的な区分がカタチになっているので、
いわば神さま対行政区分(笑)というようなハンディキャップがある。

たぶんこの神さまの業が、カタチに決定的な影響があるのだろうと思う。
地球上での空間位置にあらゆる自然条件要素が全部入った上で
もっとも合理的に地形のカタチは決まっていくものでしょう。
木は必ず太陽に向かって伸びていき、枝葉はもっとも太陽光を受けるように
合目的的な形態になっていくように、
地形というものも、その条件下でもっとも自然な造形をつくる。
全地球でももっとも活発な西部太平洋での火山活動の結果、
アジア大陸に沿って弧状列島が形成された。
それらが多雨の気候や海流の影響などが積み重なって
長い年月を掛けて現状のカタチに至ったのでしょう。
ほかの四国・九州島と本州島との間の瀬戸内海とはかなり趣の違う
津軽海峡による本州島との微妙な、つかず離れずの位置関係。
さらにはこの北海道が日本国の地形のワンピースとして加わったことで
「右を向いた龍」といわれるような弧状列島のカタチが完成した。
こういう与条件としての美感に感謝しながら、
人為でそれをさらに磨いていくことが人間の役割なのでしょうね。

そんなことを漠然と考えていたら、
なんと古い友人から中学校時代の「地図」を貸してもらえた(笑)。
物持ちのよさに驚くけれど、1965年段階の地理的知見が集約されていて、
さすがに目が点になるくらい驚く記述もある。
勉強をいかにやっていなかったか、もう手遅れですが(笑)、
変わることのない日本列島・北海道の地形に魅入らされております。
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