人を想う
2021-03-07 | 短歌
宮中歌会始
あけび歌会の創始者の花田比露思師が昭和39年の宮中歌会始の召人として招かれました。
お題「紙」
ふるさとの清き流れに今もかも
翁はひとり紙濾くらむか
リコはこの詠進歌を読んで、
「本人は知らないのにどこかで自分の事に想いを馳せてくださる人がいるのだ」とひとりぼっちだと思っても誰かが気にかけてくれて居ると安心しました。
そして、平成19年に前主幹の大津留温師も召人として参内し、
お題「月」
天の原かがやき渡るこの月を異境にひとり君みつらむか
この詠進歌は中国・長安の地で望郷の念にかられたであろう阿倍仲麻呂、アメリカ留学中の孫、北朝鮮に拉致された人々を想い詠まれた。
大津留師はこの歌会始の18年前の1989年の昭和天皇の殯宮(ひんきゅう)の儀(下々の通夜にあたる)に参内された。
歌会始の儀式の時に大津留師は同じ正殿・松の間の昭和天皇の殯宮の間を思い出されていたでしょう。