トレヴェニアン『パールストリートのクレイジー女たち』
トレヴェニアンの新刊!
新しく翻訳本が出るなんて、信じられない。
表紙はセピア調の写真。
1930年代と思われるニューヨーク。
通りを歩く人びとの身なりは小綺麗で、男性は中折れ帽をかぶっている。
500ページを越える本のストーリーは、表紙だけではわかりようがないものの、良質な物語が詰まっている感じがする。
帯の「どうしても、これを自分で訳したいと思ってしまった」という江國香織氏の言葉が、さらに期待を抱かせる。
読み始めて数ページで、オールバニーという街のおかしさにつかまれ、語り手の少年と若い母、妹を身内のように感じていた。
エピソードのひとつひとつが面白く、いつのまにか心の中に、深く小説の世界が形成されていた。
もう離れられない。そのくらいに。
子どもの時に好きだったことが、大人になってしまうと、なんでもなくなってしまったりする。
かつて属していた世界が閉じてしまったと気づいても、哀しさを感じることはない。
でも、そっとその世界を覗いてみると、どういうわけか涙がぼろぼろこぼれてくる、そんな小説だ。
装丁は坂川栄治氏+坂川朱音氏(坂川事務所)。(2015)
トレヴェニアンの新刊!
新しく翻訳本が出るなんて、信じられない。
表紙はセピア調の写真。
1930年代と思われるニューヨーク。
通りを歩く人びとの身なりは小綺麗で、男性は中折れ帽をかぶっている。
500ページを越える本のストーリーは、表紙だけではわかりようがないものの、良質な物語が詰まっている感じがする。
帯の「どうしても、これを自分で訳したいと思ってしまった」という江國香織氏の言葉が、さらに期待を抱かせる。
読み始めて数ページで、オールバニーという街のおかしさにつかまれ、語り手の少年と若い母、妹を身内のように感じていた。
エピソードのひとつひとつが面白く、いつのまにか心の中に、深く小説の世界が形成されていた。
もう離れられない。そのくらいに。
子どもの時に好きだったことが、大人になってしまうと、なんでもなくなってしまったりする。
かつて属していた世界が閉じてしまったと気づいても、哀しさを感じることはない。
でも、そっとその世界を覗いてみると、どういうわけか涙がぼろぼろこぼれてくる、そんな小説だ。
装丁は坂川栄治氏+坂川朱音氏(坂川事務所)。(2015)