安藤祐介『本のエンドロール』
本が好きなら、この本は夢中になれる。
果たしてそうなのだろうか?
本好きだったら、本の制作過程に興味を持てるものなのか。
それも編集やデザインではなく、印刷会社。その営業を中心とした小説に。
表紙の写真を見ると、ノンフィクションの雰囲気。
現場の細かい作業の描写は、ノンフィクションのようでもある。
そして、そこに本当にありそうなドラマを重ねる。
突拍子もないストーリーではなく、派手な展開はない。印刷営業という馴染みの薄い職業を、間違いなく写すにはしかたがないのかもしれない。
といって、退屈なことはない。
ただ、もう少し人物に魅力があってもいい。
文中、本の仕様について試行錯誤するので、この本の体裁を文中の本に合わせられたら面白かったかもしれない。
紙の本がなくらないための、ひとつの案として何か提示できれば、手元に置いておきたい人が増えるだろう。
写真は森清氏、装丁は岡本歌織氏。(2019)
カバーをはずした表紙
本が好きなら、この本は夢中になれる。
果たしてそうなのだろうか?
本好きだったら、本の制作過程に興味を持てるものなのか。
それも編集やデザインではなく、印刷会社。その営業を中心とした小説に。
表紙の写真を見ると、ノンフィクションの雰囲気。
現場の細かい作業の描写は、ノンフィクションのようでもある。
そして、そこに本当にありそうなドラマを重ねる。
突拍子もないストーリーではなく、派手な展開はない。印刷営業という馴染みの薄い職業を、間違いなく写すにはしかたがないのかもしれない。
といって、退屈なことはない。
ただ、もう少し人物に魅力があってもいい。
文中、本の仕様について試行錯誤するので、この本の体裁を文中の本に合わせられたら面白かったかもしれない。
紙の本がなくらないための、ひとつの案として何か提示できれば、手元に置いておきたい人が増えるだろう。
写真は森清氏、装丁は岡本歌織氏。(2019)
カバーをはずした表紙