文藝春秋編『もの食う話』
「老人の食意地のきたなさは…」で始まる大岡昇平「食慾について」。
文春文庫『もの食う話』に収められた一編。
年をとると食への興味が薄くなってガツガツしない、なんてことはないと感じていたところ。
むしろ食にしか興味がないのでは、と思しき老人の姿を目にすることもある。
しかし、文章はそのあと「中年男自体それほど意地がきれいだったわけではない」と続く。
そんな人も、いる。
食べることは生をつなぐこと。
生への執着も、老人だからといって霞んでくるわけではないと思う。
ぼくもできることなら、死ぬ間際まで、あれが食べたい、これが食べたいと食欲旺盛でいたい。
それなのに、まだ老人でもないうちから、油物がきついと感じるようになった事実。
量より質、美味しいものを少量でも、楽しく食べて生きたい。
表紙に描かれた卵男の、ゆで卵一つを食べる幸せそうな表情。これが食の楽しさ。
装画は古知屋恵子氏、デザインは関口信介氏。(2015)
「老人の食意地のきたなさは…」で始まる大岡昇平「食慾について」。
文春文庫『もの食う話』に収められた一編。
年をとると食への興味が薄くなってガツガツしない、なんてことはないと感じていたところ。
むしろ食にしか興味がないのでは、と思しき老人の姿を目にすることもある。
しかし、文章はそのあと「中年男自体それほど意地がきれいだったわけではない」と続く。
そんな人も、いる。
食べることは生をつなぐこと。
生への執着も、老人だからといって霞んでくるわけではないと思う。
ぼくもできることなら、死ぬ間際まで、あれが食べたい、これが食べたいと食欲旺盛でいたい。
それなのに、まだ老人でもないうちから、油物がきついと感じるようになった事実。
量より質、美味しいものを少量でも、楽しく食べて生きたい。
表紙に描かれた卵男の、ゆで卵一つを食べる幸せそうな表情。これが食の楽しさ。
装画は古知屋恵子氏、デザインは関口信介氏。(2015)
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