暑中お見舞い申し上げます。
大暑の候 拙ブログをご覧の皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
列島各地から梅雨明けの便りが届いています。
ここ北陸も程なく夏本番。
くれぐれも夏バテや熱中症にはお気をつけくださいませ。
猛暑・酷暑の今日(こんにち)。
「無理せずエアコンを使いましょう」が常套句になって久しいですが、
少年時代を思い返すと、冷房装置は高根の花でした。
生家はもちろん、学校、役所などは皆無に近く、交通機関の車内も扇風機が関の山。
そんな中、比較的早くクーラーを導入した場所の1つは「映画館」かもしれません。
そこは眩い光が支配する外界と隔たれた、薄暗い異世界。
冷気に満ちた快適な空間で、肘掛け、背もたれが付いた椅子に身を沈めるひと時は、
とても贅沢な心持ちになったものです。
幼い僕が映画館に連れて行ってもらえる機会は夏休み。
本津幡駅から鈍行列車に揺られ金沢駅へ。
乗り合いバスで香林坊へ。
ようやく複数の劇場が軒を連ねる映画街に到着。
流れる汗も構わず、勇んで「金沢東映」の扉を開けました。
目当ては、夏のオムニバス企画『東映まんがまつり』です。
・巨大ロボの金字塔『マジンガーZ』
・みんなで歌おう♪『ゲゲゲの鬼太郎』
・梶原スポ根の傑作『タイガーマスク』
・お色気変身大活劇『キューティーハニー』
・影負う正義の味方『仮面ライダー』
・マハリクマハリタ『魔法使いサリー』
・テクマクマヤコン『ひみつのアッコちゃん』
・哀愁誘う宇宙猿人『スペクトルマン』
・砂の嵐に守られた『バビル2世』etc---。
組み合わせは年によって変わりましたが、
アニメや特撮ヒーローものを立て続けに4~8本上映。
TV版の再編集あり、劇場オリジナルあり。
いわば玉石混交ながら、それはまったく問題に値しませんでした。
何しろ時は70年代。
家庭にビデオデッキが普及する以前、
放送済み作品を見返すチャンスは、滅多にありません。
それが小さなブラウン管を飛び出し、映画館の大スクリーンに甦る。
しかも、まとめて一度に観賞できる。
僕にとって『まんがまつり』は“夢のオールスター戦”だったと言えるでしょう。
--- そして、それは懐かしい過去の夢。
もう僕は少年ではなく、もう昭和ではありません。
金沢中心部の映画街は取り壊され、跡形もありません。
生々流転。
瓶コーラ片手に感じたあの興奮、あの歓びは、
遠い夏の日の陽炎のようなものですね。
今年の夏はこれから。
自分自身、年齢を重ねるにつれ暑熱が身体に堪えるようになりました。
「慎重」を旨に乗り切ろうと考えております。
どうかお元気で。
では、また。
令和六年 大暑
りくすけ
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