首相と写真 マルチ利用
「桜」の記念撮影も
「見せれば みんな入会」
2017年に特定商取引法違反で消費者庁から取引停止命令を受けたマルチ業者の勧誘に、安倍晋三首相や妻の昭恵氏らが業者らしき人物と一緒に写った写真が利用されていたことが、実際に勧誘を受けた人の証言でわかりました。首相主催の公的行事「桜を見る会」での写真とみられるものも。首相らがマルチ被害拡大に結果的に加担していなかったか、説明責任が問われます。(取材班)
「首相らと一緒の写真が、マルチ業者の信用性をアピールするための道具だと感じた」
関東地方の会社経営の男性がそう証言します。17年ごろ、知人のマルチ業者会員の男性に勧誘されました。
この業者は「クローバーコイン」と称する仮想通貨を扱っていた「48(よつば)ホールディングス」(札幌市)。消費者庁の発表(17年)によると、勧誘者が、クローバーコインの価値が上がるかどうかわからないにもかかわらず、「完全に上がる。買わなきゃ損をする」「1カ月半後には10倍に値上がりする」などと告げていました。必要な契約書面の不交付などもありました。
会社経営の男性が「怪しい会社だ」と勧誘を断ったところ、後日、その知人からスマートフォンに写真3点が届いたといいます。
一つは48社社長だった淡路明人氏と取締役だった中田義弘氏とみられる人物が、半袖姿の安倍首相と写るもの。中田氏と昭恵氏のツーショット、「桜を見る会」会場で撮った菅義偉官房長官と中田氏とみられる写真もありました。
「知人は『安倍さんや菅さんとツーショットを撮れるような立派な人がクローバーをやっているんだ』と強調した。写真は北海道であった同社のセミナーで、関係者からもらったと話していた」
さらに知人は「この写真を見せればみんなクローバーに入ってくる」とも語ったといいます。男性は「実際に勧誘に使っていると思った」と語ります。
悪質業者と安倍首相との関係については、預託商法ジャパンライフが山口隆祥会長あての「桜を見る会」の招待状を勧誘に利用していたことが国会で問題になっています。
- 首相と写真 マルチ利用/「桜」の記念撮影も/「見せれば みんな入会」
- 反共広告 公開質問状/京都市長選 自民はじめ各党に/公正な選挙を考える会
- “最賃 誰でも1500円”/東京・渋谷 サウンドデモに反響
- 新型肺炎 クルーズ船/現場とかけ離れた政府対応/要望が一定前進 健康相談窓口を
- 「米軍防護」昨年14回/自衛隊 一気に「戦時」の危険/時期など非公表
- 陸自の水陸機動団 沖縄で米と初の共同訓練/「遠征打撃群」へ 進む一体化
- 加計学園・獣医学部“四国枠”/20年度合格者はゼロ/畑野氏聞き取り
- 新しい支持広げよう/兵庫 山下副委員長ら訴え
- 3氏必勝へ力合わせ/鹿児島市議選 田村副委員長訴え
- 県民向き合い支える/熊本県知事選 幸山氏ら演説
- 15歳からの主権者教育/大阪・常翔学園中学 たつみ氏ら各党から講師
- 小規模漁業を守れ/参院調査会 伊藤議員が参考人質疑
- 2月から前進のためにありとあらゆる手だてを/読者拡大の現状は危機的/2月15日 機関紙活動局長 田中 悠
- 船舶建造 国の支援を/新潟 武田氏ら佐渡汽船と懇談
- 男性の自殺、労災認定/福井地裁 母親の訴えを認める
- 明るさ1/3 そのわけは?/ベテルギウス最新画像公開/欧州南天天文台
- 悲惨な戦争 伝える責任/首里城地下戦跡 沖縄知事視察
- 秋元被告会見、疑問だらけ/面会「記憶がない」/元担当副大臣の説明責任は
- マイナス金利4年/弊害が明白な政策は転換を