天と地の間

クライミングに関する記録です。

ケイセイ谷 遡行

2020年08月04日 | 
待ち望んだ梅雨明け、8月2日、祖母・傾山系のケイセイ谷に入った。
ケイセイ谷は傾の九折登山口(380m)より入り、笠松山(1522m)近くの稜線に抜ける谷。標高差もさることながら長さも申し分ない。「九州の沢と源流」には遡行時間7時間~9時間とある。
近年、類を見ない豪雨の梅雨だっただけに、沢はかなり荒れているだろうと予想していたがまったくの杞憂。水量も梅雨明け直後のわりには多くない。
しかし、慎重に越したことはない。今季二度目の沢だけにまだ足がこなれていない。慎重に進むことにしよう。


ケイセイ谷に架かる青橋。ここより入渓。

入渓してすぐにニホンカモシカに遭遇。距離にして4mの至近距離。しばし見つめあった。
祖母傾も他の地域同様、鹿の食害防止のフェンスが張られている。仕方のないことだがニホンカモシカにとってはとんだとばっちり。自由に山を行き来できず、生息域が狭められていくのではないかと、心配なところだ。
彼らのこと、鋭い蹄で鹿の行けない急斜面や岩を飛び回っていると思うが。


ばったり出会って、思わず声が出た。
侵入者はこちら、向こうはもっと驚いただろう。 申し訳ない。


長い体毛、鋭い爪、そして角。
九州の山、それも大分の山にに生息していることに感動をおぼえる。
環境悪化の中、この先も無事に生息し、個体数を延ばすことを願わずにはいられない。




シャワーを浴びながら快適に登る。


巨岩が重なって出来たトンネルを落ちる水。こういう箇所があると、なぜか通りたくなる。


ここは正面から。カムが効き、快適に突破。2段目が被り気味になり、
意外に悪い。ジャムで乗越す。


さすがにここは左より巻いた。


傾斜の強い狭いゴルジュ。
横たわっている倒木は直径70㎝ほどの巨木。
左の壁は苔、右は巨木の苔で滑る。
結局、ここが最大の核心部だった。

沢は明るく、飽きさせない滝の数とスケール。何といっても、よかったのは崩れた炭焼き窯をのぞいて、人造物に出くわさないことだった。橋や林道が横切ることもなかったことだ。
天気に恵まれ、最高の沢になった。

遡行距離 8.8km、遡行時間5時間27分
下山距離 6.2km、時間2時間27分
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