天と地の間

クライミングに関する記録です。

祖母山系サマン谷

2020年08月14日 | 
9日に比叡で登った後、スコールのような雨が降り出した。降っては止みの繰り返し。これでは明日の祝子川が
思いやられる。
予報を見ると明日もかなりの確率で雨となっている。祝子の水位計は91cm。これではゴルジュは無理だろうと、
雨の確率の低いサマン谷へと変更した。
今回のメンバーは大分からは私。熊本から4人


2段の釜 自然の造形美だ

サマン谷は初めての沢。初心者を連れていくには程よい沢と聞いていただけに、期待はしていなかったが、予想
に反して渓相は素晴らしいものだった。形のいい釜が多く、ゴルジュもある。


おなじみゴルジュのチョックストーン。
こういう箇所をくぐるのはなぜか楽しい。



順調に遡行していくと、眼前にこれはという滝が現れた。登れないことはなさそうだが、水量が多く、かなり難
しそうだ。登攀意欲をそそられる。微妙な決断のはざま。今日の仲間のサポートがあれば行けるだろうと、取付く。
1段目に、古いハーケンが打たれてある。しかし、錆びて体重を預けるには心もとない。3度ほどフリーを試みたが、
フットホールドが乏しいうえに、水圧に抗うことも出来きない。セカンドの補助を借りて、何とか1段目に立つこと
ができた。2段目も同様の方法をとり上がった。
だが、一番の核心は最後のトラバースであった。ビレイ点を作れない。手掛かりはない。落ちられないという状況で
よけいに緊張する。右足を水の流れ落ちるスラブへ飛ばし、微妙なバランスで乗り込み、落ち口へとぬけた。


取付き以外にはプロテクションはない。巻く方が無難だ。


二段目に手を伸ばしたところ、ほぼ絶望的なほどのすべすべ


何とか越えて進むと、すぐに7mほどの滝が現れた。先ほどの滝より易しそうだ。しかし、水量が多く、すごい勢い
で落ちている。
滝壺へと必死に泳いで真下に行くもすぐに押し戻される。一度戻って態勢を整え、再び滝に近づいたが、猛烈な勢
いの水が耳へ続けざまに入り、戦意喪失。ここはあっさりと巻くことにした。

サマン谷は最後の堰堤と距離の短さを除くと、実に魅力的な渓相であった。終始雨が降ったが、その雨が気になら
ないほど楽しめた。これも頼れる仲間がいてのこそ。
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