田舎の庭には、毎年春になると、赤い花のクリンソウが、たくさん咲きました。
サクラソウの仲間ですが、サクラソウよりは、ずっと大ぶりで、
花の輪が、何段にも咲き上るさまは、お寺の塔の天辺を飾るあの九輪そのもの。
九輪草とい命名も納得できます。
丸い実になった後の景色もさらに。
狭い庭の中には九輪が林立、にぎやかなことでした。
ある日、川をさかのぼって、山奥の方まで、行ったとき、
川べりにひっそりと咲く、白い花を見つけました。
それが、白花のクリンソウでした。
「なぜ? どうして、そこに?」
”クリンソウは、赤”とのみ覚えていた頭には、
とても珍しく、不思議な出来事でした。
その白い花には、一体どんなドラマがあったのでしょう。
あたりには、クリンソウの類はまったく無く、
ほかに花らしいものは何も咲いていません。
山奥の、湿ったそこの場所で、何年何年も、ひとり咲き継いできたのでしょうか。
四方緑の中で楚々と咲く、白い花に、子どもながら感動しました。
たこさんのページで、林の中にスックと立つ、たおやかな、
白い彼岸花を見せていただきました。 http://blog.goo.ne.jp/takofuji_2102
それにしても、お住まいの近くにそんな豊かな自然があるなんて・・・!!
なんて素敵なことでしょう。
近くだったらとんで行きたい。
画像は「季節の花300」さんよりお借りしました。