「カラマツの下の花畑」・・・・♪

軽井沢での子供時代に作った落葉松の下の花畑ーー心は今も~!「草花」「99歳の軽井沢物語」「葛西スケッチブック」ほか。  

ユキノシタと母

2007-07-22 | 99歳Umeさんの軽井沢物語

umeさんがまだ80代で、軽井沢でひとり暮らしをしていたころのこと。
ひさしぶりに母の家に行った。
夕食がすんでくつろいでいると、待ちかねたように、母はしゃべりだした。
「今、ユキノシタの花が咲いているのよ」
「下から2枚長い白い花びらが出ていてね、それが、風にひらひら、揺れるでしょう。こんな風に」と・・・、母は身振り手振りで話す。
「上の方の花は、ちょこんと小さいけど、白地に紫っぽい模様がついて、これも何ともいえずおしゃれなんだよ。持ってきてみようか」
庭からユキノシタの花を1枝とってきた。
「ほら、この長い花びらが風に吹かれて、ひらひらひらひら揺れる様子がね、私は、可愛くって可愛くてしょうがないの」
ユキノシタを示し、立ったまま、満面の笑み。
(お母さん、それを、ずっと誰かに伝えたくてたまらなかったんだね。)
誰かに伝えたい素敵なことを、いつも、飲み込んでいたのね。
ユキノシタなんて、知ってはいても、そんな風に考えたことはなかった。
その日は、せめて聞いてあげられてよかった。
ーーブログで、ユキノシタの記事を見て思い出したことーー。

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4 コメント

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うるうる ()
2007-07-23 00:42:22
お母様のご様子が目に見えるようで、ちょっとうるうるしました
ユキノシタの様子もよくわかりました。
小さな感動を、ほらほらってその場で誰かに
伝えられないのはもどかしいですよね。
お母様も聞いてくれる人がいて、うれしかったのでしょうね。

母も「それだけ?」っと言うような電話をよくかけてきます。
「そう、それだけ!じゃあね」といってさっさと電話を切ってしまいます。
母の所には料理の生徒さんが来てくれるし、たまには友だちと出かけるし、
ご近所ともよく話をするし。でも「それだけ」のことを
言うために電話をしてくるんです。
そばにすぐ会話する人がいないって何よりもの不足感なのかも知れません。
さて、私はどうしましょう、息子に電話するわけにもいかないし…
(オットより残る気でいるらしい
返信する
母の思い出 (オコジョ)
2007-07-23 09:27:47
リンクして頂き、ありがとうございました。

私のユキノシタは軽井沢、雲場池近くで撮影したものです。

ユキノシタ煎じて咳止め作りたる
 若かりし日の母を想えり
         鳥海昭子

母親のイメージに繋がりやすい花のようです。
それだけ身近な身近な花のようです。
反面、花が小さく、沢山あって、見慣れているため、その美しさは見過ごされていますね。
そういう、ことは、意外に身のまわりに多いのかもしれません。
返信する
「それだけ」のことを・・ (ルピナス)
2007-07-23 09:39:13
・・・話せるって、とっても大事なことですよね。いつもそばにいてあげられたらいいのだけれど。
母に限らず、誰だって、伝えて、分かってくれる人がいたら、それは、幸せなことなんじゃないかしら。

お母様は、お友達も生徒さんも多く、感性の通い合う娘さんがお近くにいらしてお幸せ。
いきいきと、お若く、現役でいらっしゃるお母様の素敵さが目に見えるような気がします。
返信する
よくよく見れば、なんと個性的! (ルピナス)
2007-07-24 00:28:14
オコジョさん、こちらこそありがとうございました。
雲場の池近くのユキノシタと聞けば、また、うれしく・・・。
ユニークな王冠を戴いた花。おかげさまで、細やかに知ることができました。
返信する

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