中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

小地主(xiaodizhu)

2007-02-06 08:18:20 | 中国のこと
 前にも紹介したことがある、上海人で今は東京の会社に勤めている施路敏が、幼い頃の写真を何枚かメールで送ってくれた。20年ほど前のもので、それも携帯電話のカメラで複写してきたので少し不鮮明なものもあるが、どれもなかなか可愛い。



 男の子との双子として生まれた路敏は南京の外祖父母に育てられ、小学校入学のために上海に引き取られるまでを過ごした。写真を見ても健康で明るい子だったようで、祖父母に優しく育てられたのだろうと思われた。路敏も祖父母が大好きで、幼い頃は一度もぐずついて叱られることはなかったと言っていた。顔が丸くて可愛かったねと言ったら、皆に「小胖子(xiaopanzi シャオパンズ)」(おでぶちゃん)とか、「小地主」と呼ばれていたと言う。「小」は、子どもや若者につけられるから「地主ちゃん」と言うところだろうが、どうして小地主なんだと聞いたら、地主は金持ちで肉や魚などのご馳走を食べて太っているからなのだそうだ。面白い発想の愛称をつけるものだとおかしかったし、そのように呼ばれた幼い頃の路敏がいっそう可愛く思われた。

 小地主の貫禄十分

 中国人は非常に語彙が豊富だと言われる。事物や情景を表現する場合だけでなく、褒めるのでも罵るのでも、多様な言い方があると聞いた。とりわけ、喧嘩などで相手を罵る言葉は多彩だということだ。中国に限らず、どこの国でも相手を罵る言葉は多いらしいが、日本ではどうなのだろうか。あまり思いつかない。相手を罵しる最悪の中国語は「王八蛋(wanbadan ワンパータン)」だと言う。「王八」はスッポンの俗称、「蛋」は卵だが、スッポンの卵がどうして悪口になるのか分らない。「蛋」はそれだけで人を罵倒する表現に使われるそうだ。「王八蛋」は中国人に対して絶対に言ってはならない言葉だろう。西安の李真が外国語大学の日本語学部で学んでいた時、講義中に日本人の教師が「ワンパターン」と言ったので学生たちは顔を見合わせて、なぜそんな言葉を知っているのだろうと囁き合ったと言う。後で教師が言ったのは「one pattern」だったと解ったそうだ。どんな文脈で使われたのかは分らないが、うっかりすると騒ぎになったかも知れない。この言葉は和製英語だから、英語を知っている学生でも理解できなかったかも知れない。

 どこの国の言葉でも、それで喧嘩ができたら一人前とも言われるが、私のお粗末な中国語の学力では、とてもそんな域には達することはできない。それよりも中国語については例えば幼い子どもの呼び方などを知りたいと思う。先日、中国語教室で「小朋友(xiaopengyou シャオポンヨウ)」(子ども、ぼくちゃん、お嬢ちゃん)と言う言葉を習った。幼い子に対する愛称の「宝宝(baobao)」は好きな言葉で、列車に乗り合わせた男の子の写真を撮ろうとした時に使ったこともあるが、男の子にも女の子にも使えるのかどうか、実はあやふやだ。また、「小胖子」などは身内なら愛称で通るだろうが、他人が使っていいものかどうか分らない。まして「小地主」などは特別の愛称だろう。言葉は難しいもので、「宝宝」ではないが一知半解に使うものではないと自戒している。