中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

伝統工芸

2007-02-13 08:21:49 | 身辺雑記
 京都伝統工芸専門学校(4月から京都伝統工芸大学校)の卒業記念作品展が、京都烏丸御池(からすま・おいけ)の京都文化博物館で開かれているので出かけた。私の甥(妹の息子)も出展していて案内をもらっていた。

  
 
 200人以上の卒業生と専攻科の学生が出展していて、専門家から見ればまだまだ未熟な点は多いのだろうが、素人の私には力作ぞろいに見え、パンフレットにある「込めた思いだけは、国宝作品に負けない」という言葉が素直に受け止められた。甥の話では、学生は若者から年配者までさまざまだそうである。講師陣はさすがに京都だけあって、斯界の権威者が多いようだ。

  




 甥は金属工芸を専攻し、「長閑」(のどか)と名づけた合子(ごうす)を出展していた。京都金属工芸協同組合理事長賞を受賞していて、なかなか頑張ったと思う。桜花流水紋透合子と言うこの作品の製作過程を説明してくれたが、わずか2年間の修業期間で、よくこれだけのものを作り上げたと感心した。私の縁戚には芸術面での才能のあるものは少なく、母方の従姉の娘に抽象的な作品を発表している写真家がいるくらいだが、それにこの甥が加わったことになる。

              

 若い人たちが、伝統工芸の道を選ぶと言うことはすばらしいと思う。前にテレビで宮大工の修行をしている若者達や、国宝級の美術品の修復に携わっている若い人達を紹介していたが、彼等のすがすがしい姿に感動した。長い年月を経てきた伝統的な仕事に自分の生き甲斐を求めるこのような若者がいることは本当にすばらしく心強いことと思ったが、今日もその思いを強くした。甥には卒業してもすぐに就職口があるわけではなく、当分は修行生活が続くようだ。27歳、まだ若いよと励まして別れたが、私くらいの年齢になった頃には、金属工芸の世界で名の知られるような存在になってほしいと心から願っている。