中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

小正月

2012-01-15 17:28:49 | 身辺雑記

 1月15日は小正月だ。元日を大正月というのに対してこう呼ぶ。もっとも本来は旧暦の1月15日で望(満月)の日だから、新暦では今年は2月6日になる。正月を旧暦で春節として祝う中国などでは正月最後の日で元宵節(灯節)として華やかに祝う。私は何度か上海の元宵節に行ったことがあるが、なかなか賑やかなものだった。

 

 それに比べると日本の小正月はあまり賑々しくは行われない。特に都市部では廃れているようだが、近畿地方ではこの日までを「松の内」としていて、「おめでとうございます」の挨拶も終わりだし、門松も取り払われる。全国的には7日までを松の内としていることが多いようだ。

 

       今日限りの松飾

 「どんど」とか「どんど焼き」と呼ばれる行事が今でも地方では行なわれていて、これは1月14日の夜か15日の朝に、刈り取り跡の残る田などに長い竹を34本組んで立て、そこのその年に飾った門松や注連飾り、書初めで書いたものを持ち寄って焼き、その火で餅を焼いて食べる。正月の終わりにふさわしい行事だ。民俗学的な見地からは、門松や注連飾りによって出迎えた歳神を、それらを焼くことによって炎と共に見送る意味があるとされるとのことだ。

記憶が曖昧なのだが、私の子どもの頃、母が小豆粥をこの朝に作ってくれたように思う。小正月に小豆粥を食べる風習は平安時代からあったらしいが、いつ頃に途絶えたのか。今でも東北地方の農村の一部に残っているそうだが、私の家は東北地方とは関係はない。

 

 かつて武家の元服の儀を小正月に行なっていたことから、1月15日を成人の日として国民の祝祭日としたが、小正月がなじみの薄いものになってしまって、今では成人の日は1月の第2月曜日となった。古いいわれを元にしたものがなくなっていくことは少し味気ないと思う。